神殺しの作戦…
「作戦を発表します。」
春が静かに口を開いた。
灯、犬飼、無明は黙ったまま続きを待つ。
「戦う場所は俺が選びます。後は頑張って戦って下さい。」
「「え?」」
灯と犬飼の声が重なった。
拍子抜けしたような反応だった。
一方で。
「分かりました。」
無明だけが何の疑問も無く頷く。
犬飼が思わず手を上げた。
「待て待て……え?」
灯も困惑した表情を浮かべる。
「作戦は?」
春は真顔のまま答えた。
「ありません。」
「いや、あるだろ。」
犬飼が即座に突っ込む。
「戦う場所を選ぶって言ったじゃねぇか。」
「それ作戦の前準備だろ。」
灯も珍しく犬飼側に回った。
春は小さく肩を竦める。
「正直、今回の作戦はハマるか分からないんです。」
「博打なんですよ。」
「だから期待しないで普通に倒して下さい。」
「いや……。」
犬飼は額を押さえた。
「せめてそのハマるか分からない作戦を言えよ。」
「神はべシュルツで聖戦を行う事を知っていました。」
春は淡々と続ける。
「聞かれている可能性があります。」
「心を読まれている可能性もあります。」
「だから言いません。」
「それに言った通り、作戦は博打です。」
「期待して効果が無かった時に絶望されるくらいなら、最初から無いものとして戦って下さい。」
沈黙。
灯が周囲を見回した。
「……どうする?」
その問いに。
無明が不思議そうに首を傾げる。
「そもそもの話なんですけど。」
「なんで作戦なんて必要なんですか?」
犬飼が嫌な予感を覚える。
「いや……そりゃ……。」
無明は本気で疑問だった。
「僕が斬り刻んで終わりですよね。」
灯と犬飼は同時に顔を覆った。
春だけが納得したように頷く。
「はい。」
「作戦会議は終わりです。」
「三人で頑張って勝って下さい。」
灯が即座に手を上げた。
「一人足りないよ?」
春は無表情のまま黙る。
「逃がすかよ。」
犬飼も頷いた。
「自分を戦力から外す前提で話進めるな。」
春は小さくため息を吐く。
「作戦を考えただけ評価して下さいよ。」
「「あれが!?」」
灯と犬飼の声が再び重なった。




