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神様の優しさ
神様の優しさ
空を飛びたいと願えば、
足や臓器が変質し、肉体は羽のように軽くなる。
代わりに、内臓は重力への耐久を失い、ゆっくりと臓器不全を起こす。
人に騙されたくないと願えば、
他人の心を読めるようになる。
そして、人間がどれだけ嘘を吐く生き物かを理解し、人を信じられなくなる。
運が良ければ幸せだと願えば、
周囲の幸運を無意識に吸い取る存在になる。
自分だけが上手くいき、気付けば誰も隣に居なくなる。
死にたくないと願えば、
魂は肉体から離れる事を許されなくなる。
身体が壊れても、感覚と意識だけが永遠に残り続ける。
誰かを守れる力がほしいと願えば、
あらゆる危害を許さぬ獣へと変わる。
守るために、人間性から失っていく。
努力が報われてほしいと願えば、
報われるまで努力を止められなくなる。
例え、その先に死しか無かったとしても。
過去を無かった事にしたいと願えば、
“過去を持つ自分”そのものが世界から消える。
周囲の記憶からも、記録からも、二度と思い出されない。
家族を生き返らせてほしいと願えば、
死体を意のままに操れるようになる。
まるで、生きているかのように。




