表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
45/119

言いくるめ

「……ん? 春、何してんの?」

リビングへ入ってきた灯が、床に置かれた荷物を見て首を傾げる。

春はダンボールへ服を詰めながら、当然のように答えた。

「荷物まとめてます。」

「それは見れば分かるよ。なんで?」

「お金貯まったので、一人暮らししようかなって。」

灯が一瞬黙る。

「……なんで?」

「え?」

今度は春が止まる。

「いや、お金も貯まりましたし。そろそろかなって。」

「必要無くない?」

「いや、一人暮らしですし。」

春は若干困惑した様子で言う。

灯は不思議そうに首を傾げた。

「お金減らしてまでする事?」

「対策課って高給取りですよ? そこまで気にしなくても。」

「ふーん。」

灯は興味を持ったようにスマホへ視線を向ける。

「どんな部屋?」

春はスマホの画面を見せた。

「ここです。」

数秒沈黙。

「……狭くない?」

「この家が広過ぎるんですよ。普通です。」

「ならここで良いじゃん。」

灯が即答する。

春は小さくため息を吐いた。

「職場から近いですし。」

「なら近い所で、もっと良い部屋に二人で引っ越す?」

「いや、流石に申し訳無くないですか?」

春が苦笑混じりに言う。

灯は本気で分からないという顔をした。

「何が?」

「いや、住まわせて貰ってますし。」

「……ん?」

灯が少し眉を寄せる。

「春が申し訳無いって思う理由、何?」

春は視線を逸らした。

「迷惑かなーって。」

「迷惑じゃないよ。」

灯は即答した。

「いやー……。」

春が曖昧に笑う。

灯は少しだけ考え込んだ後、静かに尋ねた。

「他になんかあるの?」

少し間が空く。

春は荷物から手を離し、小さく首を横に振った。

「……無いです。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ