年齢
「なんで白雪が居るんだよ。」
犬飼が露骨に嫌そうな顔をする。
灯はそんな反応を気にした様子もなく、楽しげに笑った。
「二人でお酒飲むって聞いたから。からかいに来た。」
「いいじゃん、犬飼。」
叶が面白そうに口を挟む。
「一ノ瀬君も来れば良かったのに。」
「流石に未成年が来る場所じゃないから、遠慮しとくってさ。」
灯が何気なく答えた瞬間。
「「は?」」
犬飼と叶の声が綺麗に重なる。
犬飼が眉を顰めた。
「……ちょっと待て。一ノ瀬って何歳だ?」
「18。」
灯は平然と言う。
「え? 未成年が……白雪さんと同棲?」
叶が若干引き気味に聞き返す。
灯は適当に手を振った。
「まぁまぁまぁ。」
「いや、“まぁまぁ”で済ませていい話じゃなくないか?」
犬飼が呆れたように言う。
叶はふと気になったように尋ねた。
「……一ノ瀬君の親って?」
「ヴルカーン討伐後に、一回帰ってるよ。」
「へぇ。どうだったんですか?」
少しだけ間が空く。
灯は笑みを薄くした。
「話したがらない。」
「あ……うん。」
叶が気まずそうに視線を逸らす。
空気を変えるように、灯が明るい声を出した。
「暗い話終わり。年齢の話しよっか。」
「年齢?」
「私22、叶さん24、犬飼26。」
数秒の沈黙。
犬飼が嫌そうに顔を歪める。
「……何だよ。」
灯は真顔で言った。
「春と年齢交換したら?」
叶が吹き出す。
「あー、確かに。」
「おい。」
犬飼が露骨に不機嫌になる。
犬飼はそのまま店員へ視線を向けた。
「店員さん、すみません。この二人の飲み物に毒を。」
「普通に犯罪者ムーブすんな。」
叶がツッコミを入れる




