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おやつタイムと、禁断の「無許可仕様」

場所:いつもの空間(みんなで買ってきたお団子を貪る時間)


サルム「もぐもぐ……ん、このみたらし団子超おいしい! ガルフ世界にもこのタレの配合コピーしちゃおっと。――あ、そういえばさ、この前『住民の頭の上に、今考えていることが絵文字でポワンって浮かぶ機能』を追加したくて次元管理委員会に申請したんだけど、速攻で却下されたんだよねー。『プライバシーの侵害およびサーバーの無駄な負荷』だって。ケチだと思わない?」


ライク「あぁ、サルム、それは却下されて当然だよ。思考の視覚化は、生命の精神的な境界線を崩壊させる危険な試みだ。……でも、私のアルーフ世界ではね、住民が嘘をついた瞬間に、その人の頭上から『ピコーン!』って大きな警告音が鳴り響いて、周囲の空間が赤く点滅する機能を普通に実装しているよ。おかげで我が世界は犯罪率ゼロなんだ。素晴らしい、やっぱり私は徹底された調和の神――」


ニル「……ちょっと待って、ライク。今、なんて言った?」


ライク「え? 嘘をつくと頭上で警告音が鳴って、空間が赤く点滅する機能だけど……」


ニル「……それ、サルムの絵文字より100倍プライバシー侵害してるし、空間エフェクトの負荷もヤバいでしょ。それって、委員会にちゃんと『精神干渉および環境同期の追加申請』出したの?」


ライク「え? いや……出してないけど。だって、デフォルトの『良心の呵責』っていうパラメータを、ちょっと音と光に変換しただけだし……申請、必要なのかな……?」


サルム「……え、普通に無許可でやってるの?」


ニル・サルム「「…………えっ?」」


ライク「……えっ?」


(空間が一瞬、凍りついたような静寂に包まれる。団子を食べる手が全員止まる)


ニル「……いや、待って。無許可の精神干渉機能の実装って、バレたら一発で神様の資格剥奪(アカウントBAN)の対象だよ。しかも犯罪率ゼロってことは、全住民の思考ログを常時監視スクリーニングしてるってことじゃん。完全に一発アウトの超重罪(ブラック案件)だよ、それ。次の定期監査、来週だよ?」


ライク「え、えええええ!? BAN!? 嘘だろう、私は良かれと思って……! 待って、私の世界のすべての光と音が、次回の定期監査で全消去される……!? ああ、どうしよう、私は犯罪者神に……!」


サルム「わわわ、落ち着いてライク! パニックにならないで! 大丈夫、大丈夫だって! ほら、あれだよ、それは『精神干渉』じゃなくて……ただの『物理的な空気の振動』! そう、ただの自然現象! だからセーフ! 完全にセーフ!!」


ニル「そうそう……! 住民が嘘をついた時の『脳の微弱な電気信号』に、たまたま世界の空気(大気)が過剰反応して音が鳴ってるだけ。ただの気象バグ! ライクが意図して作った機能じゃない! だから大丈夫、セーフ! 大丈夫、セーフ!!」


ライク「そ、そうだよね……! 私はただ、大気の成分を少しデリケートにしただけ! 住民の思考を覗いているわけじゃない、大気が勝手に怒っているだけなんだ! だから大丈夫……セーフ……大丈夫、セーフ……!」


ニル「……って、そんな無理のある言い訳が監査官に通じるわけないでしょ! ああもう、一応規約集のデータ確認するから待って。ええと、精神干渉の項目は……あ、あった。えー、『住民の思考を直接改変、または外部に露呈する行為は一発アウト』。……ほら、やっぱりライクのやつ、完全にアウト――」


サルム「あ、ニル待って! その下の『ただし』って書いてある注釈のところ、なんて書いてある?」


ニル「……ん? 『ただし、該当機能が【住民全員の合意のもとで、世界の初期設定デフォルトとして組み込まれている】、もしくは【14時間以上の厳密なチュートリアルを経て全住民が納得している】場合は、神の固有スキル(パッシブ)として処理され、申請は免除される』……?」


ライク「……あっ。私の世界、創生期の最初の段階で、全住民の魂に『嘘をついたらピコーンって鳴る世界だけど、それでもここで生きていくかい?』って14時間かけて説明して、全員から署名サイン貰ってからスタートしたんだった!」


サルム「えっ! じゃあそれ、無許可のバグ技じゃなくて、ただの『最初からそういう仕様の世界』ってこと!?」


ニル「……つまり、規約の例外条項に完璧に当てはまってる。監査官が来ても、その最初の署名データ(ログ)を見せるだけで一発でパスできる。……というか、合法どころか、ものすごくホワイトな超優良世界セーフじゃん」


ライク「……ふ、ふふ。そうだった……! 私はちゃんと、世界を作る段階で14時間もかけてリスクマネジメントをしていたんだ! 規約違反どころか、私はルールを完全に遵守する、最も模範的な神様だったんだよ。うん、素晴らしい。やっぱり私は優しいし、頭も良い完璧な神様だ」


ニル「……あんなにガタガタ震えてたくせに、セーフだと分かった瞬間にドヤ顔するのやめて。私の心配したエネルギーを返してほしいんだけど」

サルム「アハハハ! 良かったー! マジでBANされるかと思って心臓バクバクしちゃったよ! セーフ! 完全セーフ! お祝いに、このみたらし団子もう一本食べちゃおっと!」


ライク「うん、みんなで食べよう。あぁ、本当に良かった……セーフ、セーフ(今度は安心から、お茶をズズッとすすって深くため息をつく)」


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