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神々の裏技(バグ技)自慢大会

場所:いつもの空間(お互いの世界の「ソースコード」をスマホで見せ合うノリで)


サルム「ねえ二人とも、ちょっとこれ見てよ! 最近ガルフ世界の設定資料ソースコードをいじってたらさ、めちゃくちゃ面白い『裏技』見つけちゃって!特定の山脈の頂上でさ、住民に『右ステップ、左ステップ、お辞儀、ジャンプ』を3回高速で繰り返させるじゃん? そしたらなんと、その住民の最大HPが永続的に999倍になって、ついでに空も飛べるようになるの! すごくない!? 我ながら神アプデだわ!」


ニル「……は? ちょっと待ってサルム、それ裏技じゃなくてただの致命的なバグでしょ。なんで特定のステップ踏んだだけで物理法則が書き換わるわけ? 完全にメモリの脆弱性を突いたグリッチ(裏技という名のバグ)じゃん。怖っ」


ライク「あぁ、ニルの言う通りだよ、サルム。それはシステムの脆弱性を突いた、いわゆる『オーバーフロー』という現象だね……。でも、意図しない挙動から超人類が誕生するというのは、世界の可能性を広げる試みとして、ある意味では非常に深い……。いや、しかしそれを言うなら、私のアルーフ世界にも、もっと洗練された『正規の裏技』があるよ。うちの世界の首都のパン屋でね、メロンパンを同時に3個買って、それを店主に手渡さずに地面に置くんだ。その状態で『神1(ライク)は今日も慈悲深い』と3回心の中で唱えると、なんと空から純金が100トン降ってくる仕様になっているんだよね。住民へのちょっとしたボーナスだよ。優しいよね、私。うん」


ニル「……ライク、それも100%バグ技。っていうか、さっきから出てくる『100トン』の数字、絶対にデフォルトのバッファ(容量)超えてるでしょ。メロンパンを置いた瞬間にオブジェクトのIDがバグって、通貨データが無限増殖してるだけ。そんなのやったら街の経済が一瞬でハイパーインフレ起こして滅ぶよ。神様が自らチートツール配ってどうするのさ」


サルム「アハハハ! ライクの裏技、ただのアイテム増殖バグじゃん! 経済崩壊の神様、マジでウケるんだけど!じゃあさ、そんなに正論ばっかり言うニルのバート世界には、そういう面白い裏技(バグ技)は一切ないわけ? つまんないのー」


ニル「……別に隠すことじゃないから言うけど、うちの世界はバグ対策を徹底してるから、そんな大雑把なものは存在しないよ。……ただ、唯一『仕様』として組み込んである隠しコマンドならある。うちの引きこもり魔王城の裏庭にさ、名もなきザコモンスター(スライム)が1匹だけいるのね。そのスライムの前に立って、14分間、一切キー入力をせずに完全放置する。……あ、キー入力っていうのは、住民が息をするのも忘れるくらい静止するってことなんだけど。そうするとね、世界全体の時間がピタリと停止して、BGMが全部『ニル様マジ最高』っていう私のボイス付き賛美歌に切り替わるんだ。静寂を愛する私からの、ささやかなご褒美」


サルム「……ちょっと待って、それのどこがバグ対策徹底してるわけ!? 完全にニルの職権乱用だし、世界をフリーズさせて自分の名前連呼させるとか、ただの最凶の『フリーズバグ』じゃん! 怖すぎるわ!!」


ライク「14分間の完全放置で世界がフリーズ……。ああっ! ニル、それはコマンドじゃなくて、ただの『処理落ちによる無限ループ』だよ! 14分間何もデータが更新されないから、サーバーが『世界が死んだ』と勘違いして、デフォルトのエラー音(ニルの声)を流し続けているんだ……!そんなの、住民からしたらただのホラーだよ! そもそも、なぜニルは自分の声をエラー音に設定したんだっけ……? ああ、冷徹なニルが一番やばいバグを仕込んでいたなんて、因果関係のゲシュタルト崩壊が……」


ニル「……うるさいな、バグじゃないってば。ただの私のイースターエッグ(隠し要素)だから。……え、ちょっと待って、今バート世界のログを見たら、そのザコウサギの前でたまたま転んで気絶した勇者がいて、ちょうど14分経過したところなんだけど……」


(――空間全体に、どんよりとした重低音で『♪ニル様〜マジ最高〜ひれ伏せ〜♪』というニルの生歌ボイスが不気味に響き渡り始める)


サルム「うわあああ! かかった! バグ技発動した!! 音質悪っ! 呪いのビデオのBGMみたいになってるじゃん!」


ライク「わわ、待ってくれ! ニルの声の音波が、私の世界の計算式に干渉して、アルーフ世界のメロンパンが全部純金に変わり始めた……! 街が、街が金塊で埋もれていくーー!!」


ニル「……(無言でスマホの画面を裏返し、ドリンクバーのメロンソーダを静かにすする)」


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