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禁忌の介入。崩壊のアルーフ世界を救え?

場所:いつもの空間 ―― から、緊急事態によりライクの「アルーフ世界」のカットインへ


ニル「……はぁ。思想、ね。私だって何も考えてないわけじゃないよ。バート世界を静寂に保っているのは、喧嘩や競争に疲れた魂が、ただ平穏に、誰にも脅かされずに眠れる『究極の揺り籠』を作りたいから。冷徹に見えるかもしれないけど、絶対的な静けさこそが私の至った理想の慈悲なんだよ。……まあ、住民にはモールス信号でウインクさせてるから、現実にはただの不審な街になってるけど」


サルム「あはは、やっぱり最後はオチるんじゃん! でも分かるよ。私のガルフ世界がうるさいのはさ、生きてる一瞬一瞬を、悩みなんて忘れるくらい光と音で満たしてあげたいからなんだよね。悲しむ暇もないくらいの圧倒的な生の爆発。それが私の理想。……現実には24時間爆音のせいで、みんな不眠症の限界ゾンビみたいになって、逆に虚無を見つめてる日もあるんだけどさ!」


ライク「二人とも、素晴らしい思想だよ……。世界を愛するがゆえの情熱、胸に響く。私のアルーフ世界の理想は『完璧な調和』だ。全ての運命の数式が美しく絡み合い、一滴の無駄もなく、全員が自らの役割を全うする完璧なパズル。その美しさのために、私は14時間でも、140年でも計算を続けられる。それこそが神としての私の誇りであり、秘めたる情熱――」


(――その時、空間全体に真っ赤なエラー光が点滅し、大音量の警告音が鳴り響く)


サルム「うわっ!? 何これ、火事!? ドリンクバー爆発した!?」


ライク「わ、わわわわ!! 私のアルーフ世界の観測鏡が真っ黒に……!? 嘘だろう、因果律の計算のどこかに致命的なバグが……! 勇者がお墓を作っている時間が長すぎて、魔王軍のザコモンスターが過剰繁殖し、世界のグラフィック処理の限界を超えてシステムがクラッシュしかけている……!? このままだと私の世界が、バグによる過負荷で強制終了(世界崩壊)してしまう……!!」


ニル「ライク、考えすぎて根本的なキャパ設定ミスってんじゃん……! 情熱語ってる場合?! 早く修正しなよ!」


ライク「無理だ、私の処理速度じゃバグの修正計算にあと14時間はかかる……! でも世界はあと3分でフリーズする! ああ、私の美しい調和の世界が……みんな消えてしまうのか……! どうしよう、ニル、サルム……私は、私は……!」


サルム「――よし、ニル、いくよ」


ニル「……は? ちょっとサルム、まさか他の世界に介入する気? 違う世界の神が手を出すなんて、次元管理委員会にバレたらマジで怒られるし、最悪クビなんだけど」


サルム「知るかそんなの! 怒られたらその時だよ! ライクのサングラスの住民たちが消えちゃうの、絶対ヤダ! ニルだって本当は助けたいんでしょ!? 口より先に体が動くって、こういう時のためにある言葉だからさ!」


ニル「……はぁ。本当に脳が口と、いや、脳が行動と直結してる。……分かったよ。規約違反なんて一番めんどくさいけど、ライクの泣き顔を14時間見せられる方がもっとめんどくさいからね。バート世界の静寂のエネルギー、アルーフ世界に同期プラグイン。――ザコども、一瞬で凍りついて静かになりなよ」


(ニルが手をかざすと、ライクの世界で大繁殖していたモンスターたちの動きが、絶対零度の冷気でピタリと停止する)


ライク「ニ、ニル……! モンスターの負荷が止まった……! でも、凍りついたデータがまだ重くて、システムが再起動できない……!」


サルム「じゃあ次は私の番だね! ガルフ世界のエネルギー、フルスロットルでライクの世界にドカンと注入! 限界突破の超高速サンバ・ビート!! 凍ったザコどもをノリと熱量で一瞬で粉砕デリートするよー! せーのっ!!」


(サルムが叫ぶと、アルーフ世界に爆音の重低音が響き渡り、凍りついたモンスターたちがパパパパパパン!と綺麗な光の粒子になって完全に消滅する)


ライク「……あ、あぁ……! 負荷がゼロになった……! システム安定、世界線が、無事に再起動したよ……! 助かった……住民たちも、サングラスをかけたまま無事に避難している……。ありがとう、二人とも……本来なら絶対に許されない、神々の共同戦線(ルール違反)なのに……」


ニル「……ふぅ、疲れた。ほらライク、泣いてないで早く次元のログを偽装しなよ。委員会にバレたら言い訳を考えるのにまた14時間かかるでしょ。大体、サルムがサンバの音量上げすぎたから、私の耳がまた痛いんだけど」


サルム「アハハ! でも大成功じゃん! 理想の調和ライクと、絶対の静寂ニルと、爆発する熱量サルムが合体したら、世界が救えちゃった! 私たち、バラバラだけど組んだら最強の神様たちなんじゃない!?」


ライク「本当にそうだね、サルム。君たちの情熱が、私の世界を救ってくれた。持つべきものは友だ。……いや、待てよ? 私たちのエネルギーが混ざり合ったせいで、アルーフ世界に『サングラスをかけて静かにサンバのステップを踏む新種のザコモンスター』が100万匹くらい自然発生しているぞ……? そもそも、このバグの因果関係は……」


ニル「……おいサルム、やっぱりこの世界、一回更地にする?」


サルム「ウケる! 処理しきれなくて新しい生命誕生しちゃってんじゃん! よーし、次は『どっちが先にそのサンバモンスターを絶滅させられるか選手権』ね! せーのっ!!」


ライク「わわ、待ってくれ! 絶滅させる前に、彼らの生態系の計算をさせてくれーー!!」


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