我が世界の大都市自慢大会
場所:いつもの空間(ドリンクバーを何回も往復しながら)
サルム「ねえねえ、私のガルフ世界の首都『メガ・サニータウン』ってさ、マジで最高の都市だからちょっと自慢させて! とにかく超最先端で、街中の建物が全部ネオンとLEDでピカピカ光ってんの! 24時間ノンストップでアゲアゲな音楽が流れててさ、住民も全員『毎日がフェスティバル!』って感じで超楽しそうなわけ! これぞ理想のメガロポリスでしょ!」
ライク「あぁ、サルム、想像しただけで私のアルーフ世界が振動で崩壊しそうだ……。でも、不夜城のような大都市か。夜という概念を消し去ることで、人間の活動限界を突破させる都市計画は、進化の可能性として非常に深いよね。私も昨日ね、我が世界の首都『静謐の都・エテルナ』の人口動態を14時間くらい数式化していたんだけど……いや、待てよ? うちの首都、あまりに私が美しさと静けさを追求しすぎて、街全体の壁を全部『純白の最高級大理石』にしちゃったんだよね。そしたら眩しすぎて、住民が全員サングラスをかけないと歩けない街になっちゃって……。そもそも私は、なぜあの街の反射率を計算し忘れたんだっけ……?」
ニル「……はぁ。ライク、またやってる。美を追求しすぎて住民の視力を奪いにいくスタイル、本当に歪んでる。全員サングラスの白い街って、ただの怪しい組織の集会所でしょ。っていうかサルムの街も、24時間爆音ってただの巨大なクラブじゃん。住民の耳と睡眠不足のメンタル、完全に終わってるでしょ。何がそこまで自慢なのさ」
サルム「えー、冷たいなあニル! 睡眠ならみんな、爆音の中で器用に爆睡してるから大丈夫だってば! じゃあさ、そんなに言うならニルのバート世界の首都は一体どうなってんのさ? どうせ、ニルに似てどんよりした感じなんでしょ!?」
ニル「別に普通。うちの首都『アンダー・サイレント』は、とにかく徹底的に無駄を省いたミニマリストの聖地。街全体がシックなモノトーンで統一されてて、超静か。無駄な看板もお店の呼び込みも一切禁止。……ただ、静かさを極めすぎて、住民が全員『隣の人に話しかけたら死刑になるんじゃないか』って怯えちゃって、街の中での会話が全部『モールス信号の瞬き』になっちゃったんだよね。今や街全体が、謎のウインク合戦場みたいになってる」
ライク「はっ!……あ、すまない、聞いていたよ。モールス信号の瞬き……。言葉を超越したコミュニケーションの誕生として、それはそれで尊いね。瞬きで愛を囁き合う若者たち、なんかロマンチックじゃないか。……いや、しかしドライアイの住民にとっては、命がけの告白になるのかな? 私はなんて過酷で、でもドラマチックな世界を……あ、私の世界じゃなくてニルの世界の話だったね。うん。でも、うちのサングラスの街も、ある意味でみんなお揃いで一体感があるから優しいよね。うん、やっぱり私は優しい神様だ」
ニル「……よく人の世界の大惨事をロマンチックって言えるね。あと、どさくさに紛れて自分を肯定するのやめて。っていうか、ライクの『全員サングラスの白い街』と、サルムの『24時間爆音ネオン街』と、私の『ウインクモールス信号街』が、もし合体したらどうなるわけ?」
サルム「え!何それ、超カオスじゃん! 街中が純白の大理石でピカピカ光りながら大爆音のサンバが流れて、サングラスかけた住人が全員で爆速でウインクし合ってる街!? アハハハ!マジで意味分かんなすぎて最高! 新しい観光地としてバズるよこれ!」
ニル「……地獄かな? 眩しいし、うるさいし、全員ウインクしてるって、脳のキャパシティが3秒でパンクするわ。ただの悪趣味なサイケデリック都市。私ならそんな街、めんどくさいから一瞬で更地にするね」
ライク「全員サングラスで爆音サンバを聴きながら高速ウインク!?……いや、待ってくれ、ニル、サルム。それほどの高密度な情報量を一つの都市に同期するとなると、次元のグラフィックボードのメモリがこれくらいで、バグによる強制終了が……いや、それ以前に住人の精神構造にどんな歪みが出るか……。ああ、でも、サルムがそこまでキラキラした目で見てるなら、私は神としてその混沌とした大都市を作るべきなのか……? どう思う、ニル。私はどうするべきなんだ?」
ニル「ライク、真面目に悩まなくていいから。サルムは口から先に生まれたようなタイプだし、3分後には『あ、ドリンクバーのメロンソーダにソフトクリーム乗せてくる!』とか言って席立ってるよ。ほら、もう都市のイメージ図飽きて、スマホで猫の動画見てるし」
サルム「あ、バレた? この猫、超高速で尻尾振ってて私の街のネオンみたいで可愛くてさ! じゃあさ、次は気分転換に『どっちの世界の猫が一番可愛いか選手権』やろうよ! ニルんとこの猫、やっぱりモノトーンなの? せーのっ!!」
ニル「……やめて、うちの猫はシャイだから急に判定されたら逃げちゃう(速攻で耳を塞ぎつつスマホの画面を隠す)」
ライク「わわ、待ってくれ、まだ大都市のグラフィック処理の計算すら終わっていないんだ……!」




