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「理想の勇者と魔王」を作ろうとした結果

場所:いつもの空間(みんなでポテトをつまむような軽いノリで)


サルム「ねえねえ、さっきのポンコツどもの話聞いてたらさ、逆に『私たちが考えた最強にカッコいい理想の勇者と魔王』を作ってみたくなっちゃった! ガルフ世界の新サーバーで実験したいからさ、みんなでアイデア出し合おうよ!」


ライク「お、それは面白い試みだね、サルム。神としての創造力を試される良い機会だ。やっぱり『理想』と言うからには、お互いがお互いを高め合うような、完璧な因果関係で結ばれているべきだよね。そうだな……例えば、勇者が一歩歩くたびに、世界に美しい花が咲き誇るような、絶対的な聖属性のイケメンとか……。いや、待てよ? 歩くたびに花が咲いたら、後ろを歩く仲間が花粉症だった場合、それはもうハラスメントなのでは? そもそも植物の急激な繁殖は生態系を……」


ニル「……はぁ。ライク、始まって3秒で理想の勇者を花粉症の加害者にするのやめて。相変わらず思考の癖が最悪。……まあ、私にとっての理想の魔王なら、圧倒的なカリスマだよね。言葉を発するだけで全員がひれ伏すような、絶対零度の冷徹クール系。誰とも群れず、ただ孤独に玉座に佇んでいる感じ。どう? サルムのところの病み垢魔王よりは100倍マシでしょ」


サルム「えー! ニルの理想の魔王、カッコいいけどちょっと暗くない!? だったらさ、その絶対零度魔王に対抗して、私の勇者は『見た目だけで全員のテンションをマックスにする、超絶ポジティブ・お祭り勇者』にする! 常にサンバのステップで歩いて、魔王城の扉も『ウェーイww世界救いに来たよーww』って爆音のBGM鳴らしながら蹴破るの! マジ最強でしょ!」


ニル「……最悪。絶対零度の魔王が一番嫌いなタイプじゃん。そんな陽キャが魔王城に来たら、うちの魔王、精神的苦痛で速攻で警察呼ぶよ。っていうか、ライクの『歩くたびに花が咲く勇者』と、サルムの『サンバ勇者』がもし組んだらどうなるわけ?」


ライク「……ええと、サンバのステップを踏むたびに、凄まじい勢いで花が咲き乱れる……。ああっ! それはもう、ただの移動式フラワーフェスティバルだよ! 勇者一行じゃなくて、ただの賑やかなパレード集団だ! ……いや、でも、世界がパレードの光に包まれて平和になるなら、戦う必要すらなくなるのかな? 武器を捨てて踊る世界……。私はなんて平和的で優しいシステムを思いついてしまったんだ。うん、天才かもしれない」


ニル「……よくその地獄絵図を見て平和って言えるね。魔王からしたら、自分の城に向かって、サンバ踊りながら花を撒き散らす集団が爆音で迫ってくるんだよ? テロ以外の何物でもないでしょ。恐怖で胃に穴が空くわ」


サルム「アハハハ!マジでそれ最高じゃん! じゃあさ、ニルの『絶対零度クール魔王』も、そのパレードに対抗しなきゃダメだよ! 孤独に玉座に座ってるんだけど、パレードの重低音のせいで玉座がガタガタ揺れちゃって、内心『……うるさい、帰りたい……』って泣きそうになってるの! これが私の考える最高の魔王像!」


ニル「それ、私の理想のクール魔王の面影がミリもないんだけど。ただの可哀想な被害者じゃん。……あ、でも待って。その魔王、パレード集団があまりにもうるさすぎて、最終的に『静かにしてくれ!!』って叫びながら、自分で防音壁のDIYを始めるのはどう? 職人レベルでめちゃくちゃ綺麗な壁作るの」


ライク「魔王がDIY!? ……いや、待ってくれ、ニル。魔王が防音壁を建築し始めたら、それはもうダンジョンじゃなくてただの建築現場だよ。勇者たちがサンバで壁を壊し、魔王が必死に壁を補強する……。これ、何の時間なんだ? 私たちは一体、何のためにこの二人を戦わせようとしていたんだっけ……? ああ、もう因果関係がグチャグチャで頭が割れそうだ……!」


サルム「え! サンバVS壁作りのDIY対決!? ナニコレ超面白そう! 理想とかどうでもよくなってきた! ライク、今すぐその『サンバ花咲か勇者』と『DIY防音魔王』のデータ作って! 私の世界のテスト環境にぶち込むから! せーのっ!!」


ニル「……(もう突っ込むのを諦めて、ポテトを食べながら二人の暴走を生温かい目で見つめる)」


ライク「わわ、待ってくれ! サンバの消費カロリーと、魔王の建築資材の調達コストの計算がまだ……ああっ、もうどうにでもなれー!」

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