配置換え
次の日…朝を迎えた事務所では、
「キリカに、近づくな!」
「悪魔に言われたくないわ!そっちが離れろ」
シロとAjisai_chanが睨み合っている…。
「シロ、私は大丈夫だから…」
「キリカ、ダメ!ごはん、食べなかった!シロ、怒ってる」
どうやら、私が夕飯を済ませず…そのまま寝てしまった事に対してお怒りのようだった。そのせいか、朝に目が覚めたら私に抱きついていて…それからずっと離れてくれない。
「そこ!ケンカしない!後…シロはキリカから一旦離れなさい。キリカが辛そうだから」
その光景を見ていた社長がそう言うと、シロは「むぅー…」と言いながら悩んでいたが、とりあえず離れてくれた。
「これから例の話をするから、一旦こっちに集まれ」
私達はひとまず会議室へ移動した。
「昨日の話で言ってた通り…君たちには『大都五不思議調査部』専門退治屋に移動する事となった。理由としては…3つある。1つは…最近は退治屋が不足している中、君たちは悪魔退治の経験があること。そして2つは…数日前の事件がきっかけで、その調査部からスカウトがあったこと。『今後の襲撃に対抗するため協力してほしい』とのことだ。以上」
まさか過去の経験でそこまで響くとは…しかも、そんな調査部の存在すら知らなかった。どうやらあの事件での活躍を見た関係者が私達を特定して、地下に隠れている事務所に乗り込んできたらしい。恐ろしい…。
「メディアでは私達のことを公開しないという約束だったはずよね?公開してないはずなのに、私達を特定って…相当やばそうね」
事件の情報だけで私達だと気づき、所属している事務所まで特定されるのは…流石に恐ろしいことだ。あれ…?
「どうして私達だって…バレたのでしょうか?」
すると社長は自らのスマホを取り出した。そこにはSNSサイトに事件後の様子が投稿されており、
「キリカ達が写ってるじゃない!」
私とシロが写っており、『第二都市の様子見に来た!あの退治屋何者!?』と書かれていた。しかも、事件後のすぐに投稿されていた。
「SNSに私達が…」
私は少し青ざめた…もしかしたら、私の身分もバレた?
「一応…政府が設立した組織だから、怪しいところではないはずだ。とにかく、この後午後の1時にそこへ向かってもらう。話は以上だが、何か質問はあるか?」
シロ達は特に無さそうだが、私は1つ気になることがあった。
「移動ということは、私達は寮を出ることになりますか?」
私達は事務所の関係者ではなくなり、寮を出ることになるのか…それを確認した。
「いや…実際は解雇ではない。特殊な退治屋として変わっただけで、所属に関しては前と変わらない。だから、寮を追い出すことは無い」
つまり、私達の衣食住は保証される。
「よかったぁ!引っ越しはもうごめんよ…」
Ajisai_chanもそれを聞いて安心したみたいだ。
「そろそろ時間だから、急いで支度するように」
時計は11時30分を指していた
「やば、もうこんな時間!早く準備しなきゃ」
「では、私たちは失礼します」
私とAjisai_chanは会議室を出た。
「…どうしたシロ?なんかあるか?」
シロだけは何故か残っていた。
「しゃちょー、まだ、ある」
「…なんだ?」
「3つ目、教えろ」
「あぁ…3つ目な。それは…」
シロは社長からあることを告げられる。
「シロー!行くよー!」
私の呼びかけで立ち去る直前に…シロは社長にこう言った、
「…警戒、する」
あの時、シロと社長は何を話していたのだろうか…?
そして私達は、第五都市にある調査本部へと向かった。
第五都市…『大都市の工場地帯』とも呼ばれているこの地に、私達3人はスマホに送られたマップを頼りに目的地へ向かう。この辺は工場の煙突から出る煙のせいで、あまり人が住んでいないらしい。
「ゲッホ!ゲホゲホ…相変わらず煙臭い!」
Ajisai_chanは工場の煙を吸い込んでしまった。
「仕方ないよ、ここは一般人が住むところではないから…」
この都市の住人のほとんどは、工場ど働く従業員関係者ばかりだ。
「…ここ?」
マップに表示された場所に到着したが…目の前にあるのは、ゴミ山だらけのゴミ捨て場だ。
「建物すら見当たらない…本当にここなの?」
すると、
ドガーン!
「イヤーー!」
ゴミ山から人が飛んできた!?何かの爆発で吹き飛ばされたみたいに飛んできた。
「あれ、あの人…」
「なんかこっちに来てない!?」
「にげろー!」
私達はぶつかる前に急いで逃げた。
飛んできたその人は、地面に突っ込むように落下して…土煙が晴れた後には、地面から生えた2本の足がジタバタと藻掻いている。
「これ…抜いた方がいい?」
とりあえず…私は2人に聞いてみる。
「…そうね」
「引っこ抜く」
私とAjisai_chanで両足掴んで引っ張ってみるが、
「痛っ!」
「痛っ…おい、暴れんな!」
足がジタバタと暴れるから、力が入らず抜けない…。するとシロは、
ガシッ!
右足を片手で掴んでその人を引っこ抜いた…強く掴んでるみたいだから、右足が痛そうだ。
「な、何ですかぁ!?」
引っこ抜かれたその男性は白衣を着ており、
「足が痛…ば、化け物ぉ!」
「化け物じゃない!化け物じゃないです!」
「とりあえず早く降ろせ!」
シロはひとまずその男性の右足につかんだ手を離した。その人は「アイタ!」と頭を地面にぶつけた。
「大丈夫、ですか?」
私はそう言って、その男性の元へ駆け寄る。
「何ですか貴方方は!?背の高い化け物を連れた…不審者!?」
「違います!私達は…」
すると、
「あれ?んー…?」
白衣を着た男性はそう言うと、私をジロジロと見始めた。その様子を見ていたシロからは何か殺気のようなものを感じる。
「あー!貴方方は、そうかそうか!じゃあ、3名様ごあんなーい!」
すると、私達の足元に穴が出現した。
「うわぁぁぁぁ!」
私達はそのまま下へと落ちたのだった。




