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ぼくはもう正義にはなれない  作者: 白闇エナンカ
運び屋と悪魔の出会い
8/10

人間を取り込む悪魔

 私達は今、下水道を通っている。向こうに何か、見える

 「…出口か?」

 下水道なのに、広い空間に着いた。辺りを見渡すが、誰も…、

 「キリカ!上!」

 上から巨大な…巨人の悪魔が現れた。しかも、

 「アイツ…中に人を取り込んでる!?」

 見た感じ…3人くらい、透けた腹の中に取り込まれていることを確認できる…。

 「…オマエ、オイラノジャマ、スルノカ?」

 喋った。こいつも喋る悪魔だったのか。先程の質問の解答は…勿論、

 「人間を襲う悪魔は、退治させてもらう!」

 「やっつける!」

 私達は…臨時だが『退治屋』として、悪魔と戦う!

 「ジャマ、スルナァァァァァ!」

 奴の巨大な手が私達に振り下ろしてきた!私達をそれをそれぞれ左右に跳んでかわす。

 「シロ!地下鉄の時と同じ戦い方で行くよ!」

 地下鉄での戦い…それは、私が遠距離で魔法の刃を飛ばしながら、その隙にシロが近距離で攻撃する作戦だ。ただし、

 「人間には攻撃しないでよ!」

 「人間…助ける、りょーかい!」

 取り込まれている人間は、必ず救助する…。

 かなり巨大な姿だから、退治に時間がかかるかも…。それでも奴の拳は止まることはない。

 「…まずい!」

 私が作る刃は意外と小さい…ナイフが小さいせいで、迫りくる拳に弾き飛ばされていく。

 やられる…!


 「危なぁい!」


 誰かが私を抱えて壁へと逃げた。

 「大丈夫でありますか!」

 なんと…私を助けたのは、村田警官だ。

 「なんでここにいるんですか!?」

 「心配になって…後を追ってきました!」

 この上記で危機感は無いのか…、

 「何か手伝えることは無いですか?」

 「安全の為、隠れていてください!」

 警官でも…一般人はできれば巻き込みたくない、だから隠れてもらった。

 「キリカ!」

 攻撃がまた来る!

 私が魔法で作った刃で手足を攻撃して動きを止めるが、シロは何故か攻撃しない…?

 「人間、傷つけちゃう…」

 そうか…シロ、約束守ってくれてるのか…。どうすれば良いのだろうか…、


 パァァン!


 音と共に、奴の右足が破裂した!?

 「やりました!足止めだけでも…」

 どうやら、村田警官の拳銃で撃ったみたいだ。

 …まてよ、私のナイフは効かず、拳銃は効いた…?

 「オノレェ、ニンゲンガ…」

 破裂した右足が少しずつ再生している…?

 「これは…まるで『スライム』であります…」

 身体が透けている…『スライム』………!?

 「そうか、奴は『スライム』だ!」

 スライムだということは、拳銃みたいな強い衝撃であれば…、

 「あの力を…使おう」

 私は魔力を体内に巡らせる…そうイメージする。

 「か、身体からオーラが…超能力者でありますか!?」

 宙に浮き、オーラに包まれ…そして私は真なる姿を現す。

 鬼の角が付いた輪が頭の上に浮いていて、赤い目をした…『鬼人(きじん)』の姿だ。

 「私の一撃で、腹を切り裂く!」

 私は大きく鋭い右手を奴の腹に引っ掻いた!私の予想通り…腹に傷をつけることにより、体内に取り込まれた人達が傷口から漏れていく。

 「シロは取り込まれている人を救助!村田警官は救助した人を避難させてください!」

 「し、シロさん!こちらに!」

 「助ける!助ける!」

 シロは近くに倒れている人を悪魔から遠ざけ、村田警官はその人たちを見えないところに隠れさせた。

 「キサマァァァ!」

 …獲物を逃がせば、そりゃあ怒るか。だが、

 「この『鬼人の魔法(ちから)』を使わせたからには、容赦しない!」

 思い出せ…かつて戦った悪魔の弱点を!…私の記憶が正しければ…悪魔の本体は、頭!

 つまり『脳』だ!

 「その頭ごと、砕いてやるよ!」

 私は猛スピードで悪魔の目の前へと攻める。

 「ヤメロォ…!」

 私に攻撃しようとする、だがシロは元の姿に変え、キリカに攻撃させないよう奴の両足を拳で破壊した。

 体勢が崩れ、攻撃が緩み…隙ができた!

 「砕け散れぇ!」

 私は人の手よりも大きなこの鬼の手(みぎて)で、奴の頭を切り裂いた!

 「ヤメロォォォォォ!」


 私が奴の脳を破壊したことにより、無事退治はできた。

 奥へ進むと攫われた人たちが発見され、その後…警察や救急隊に救助された。だが、第二都市住人の生き残りは多くはなかった…。

 そして次の日…都市の街中に配られた新聞にはこう記載されていた、

 「たったの四日で第二都市の犠牲者多数!」

 「臨時退治屋と警官1名が撃破!」

 「都市伝説『大都五不思議』噂は本当だった!?」

 三枚目に記載されていた「大都五不思議(だいといつふしぎ)」…それは、数年前に大都市内で流行っていた五つの『噂』…のはずだった、


 「お前たちには、『大都五不思議調査部』専門退治屋に任命する!後日、その調査本部へ移動してもらう」


 …いきなりすぎて受け入れず頭に入ってこない私と、既にポカーンとしているシロ、そして軽傷で済んで解放されたばかりなAjisai_chanの3人は…まさに今、社長命令が下された。

 「どういうこと!なんで移動なわけ!?」

 今まで何でも屋として稼いでいたAjisai_chanも納得できない様子で…、

 「後そこの身長高い奴!誰なの!?」

 「あ…そういえば、シロに会うのは初めてだね…」

 依頼で留守にしていることが多かったから、最近入ってきたシロとは初対面だ。

 「こいつさ…悪魔だよね?なんでさっさと殺さないの?」

 Ajisai_chanがすぐに悪魔だと気付いた途端、彼女は怒りをあらわにして、

 「じゃあキリカ!アンタはなんでソイツを殺さないの!?ソイツは人類の敵なのよ!」

 シロは確かに悪魔だ、だけど…けど……、

 「…わかってる、わかってるけど………」

 シロは私を助けてくれた恩人で、契約を交わしたパートナーで、それに………。

 なんでだろう、涙が止まらない…?

 私の思いが込み上げてくる…苦しくて、悲しくて…でも、シロと過ごす日常では…穏やかで、何処か懐かしい『何か』を感じた気がした…だから、

 「……ない」

 「はぁ?今、なんて言ったか?もう一回言えよ!」

 Ajisai_chanの怒りがエスカレートしていく。

 「そこまでにしろ!Ajisai_chan!」

 それを鎮めようとする社長。

 その場で…私は止まらない涙を流しながらこう叫ぶ、


 「殺さない!シロは私のパートナーで、大事な『家族』だ!」


 みんな驚きのあまりに一瞬静まり返ったが、

 「…ふざけんな!?何が『大事な家族』だ…アンタはバカじゃないの!?悪魔は人間を殺しまくる怪物だ!そんなヤツと共存なんてマジありえないわ!」

 なんだろう、先程とは違う『何か』が…、

 「………何も知らないくせに」

 「知るかそんな…」


 「()()の苦労も、苦しみも、何も知らずにただ平穏で贅沢に暮らしている一般人が…」

 …『怒り』だ。私はただ許せなかったんだ。

 「一般人共(おまえら)みたいな人生にすら恵まれなかったこの私の…私の何がわかるっていうんだ!?」


 「そこまでにしろ!」


 その社長の叫びで、シロは私を包むように抱きしめる…涙を流す私をギュッと抱きしめてくれた。Ajisai_chanも先程より少し落ち着いた様子だった…。

 「…時間を作るから、後日改めて詳細を説明する。今日は早く帰って休め」

 「はい…」

 もう夕方だったので、私達はそれぞれ帰宅したのだった。

 私は…、みんなが………。




 その夜…深夜0時、

 「キリカ、部屋から、出ない…」

 帰ってから、部屋から出ない。ごはん、食べてない…。シロ、心配…。

 だから、シロ、入ってみた。


 「キリカ…」

 キリカ、寝ている…けど、

 「…ごめん、ごめん……ごめんなさい………」

 キリカ…寝てるのに、涙…、苦しそうだった。わかってる、シロのせいだ。でも、

 「シロ…」

 なぁに?

 「あなたも…傍に……行かないで…」

 シロのこと、気にしている…?

 だいじょうぶ、シロ…シロは……、

 「もう独りにはさせない。キリカを()()()()守ってみせる…」

 

 シロはキリカにそう言って抱きしめた…キリカとシロの2人は一つのベッドの上で眠りにつく…ただその時のシロは、とある()()の面影があった………。

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