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ぼくはもう正義にはなれない  作者: 白闇エナンカ
運び屋と悪魔の出会い
5/10

とある約束

 夜になり、私は寮へ帰ったのだが…、

 「シロ、いっしょ!」

 キッチンがある部屋に、シロもいた。…あの後社長命令で「シロとの共同生活をするように」と命じられたからだ。

 「仕方ない…ご飯作るか」

 私はカレールーと一人二日分の冷凍ご飯を使って、久々に調理することにした。

 カレールーを沸騰した鍋に入れてから冷凍ご飯を電子レンジで解凍して、そのご飯を丸いお皿に乗せてから鍋に入ってるカレーをかけたら…、カレーの完成!なんだが…

 「…具材、無い」

 具が入っていないカレーを見たシロは、何故か不思議そうにそのカレーを見ている。

 「あ…シロの服が白いから汚れるかも」

 私は応急処置でいらない新聞紙で大きめのスタイを作った。

 「今日はこれしかないから我慢してね、それじゃあ…いただきます」

 「いただきまぁす」

 久々に作ったカレーだが…具材が無いので地味な味である。でもシロは、

 「…おいしい!おいしい!」

 …本当は美味しくないと思っているだろうに、私が作ったカレーを美味しそうに食べていた。

 …明日からはまともなご飯を作ろう。

 「…明日、休憩時間の間に夜ご飯の買い出しに行こうか」

 「買い出し!キリカと、買い出し!」


 あの後…シロはシャワーを浴びて、私はそのまま寝る支度を、

 「キリカ!シャワー、する!」

 怪力なシロに連行され、何故か一緒に風呂に入った。お風呂なんて何年ぶりだろう…、

 「…あなた、男よね?」

 「うん」

 私はすぐに風呂場を出ようとした、

 「ダメ!10秒数えてから!しゃちょーが言ってた!」

 「シロはおふくろか!?」

 社長、私が風呂嫌いだからって…。

 これが…人生初となる、悪魔との混浴なのであった。


 「シロ!あなたはひとまずベッドね!身長長いからここの方が寝やすいでしょ?私はソファで寝るから!」

 先程の恥ずかしさのあまりに、シロを六畳版の自室に誘導してから、

 「…おやすみ、シロ」

 そう言って部屋の扉を閉めてから、私は歯磨きをする。

 「()()()()()()()()()()せいか、余計に恥ずかしいわ…」

 鏡を見ると、顔が真っ赤になっていた…。

 「…きっと疲れてるんだ、もう寝よう」

 私はリビングで一人ソファに眠る…。


 どこからか見える…懐かしい記憶の向こう…、

 「………ろ…、…起きろぉ!」

 誰かが怒鳴り声で私を起こした。軍帽を被った青年がいた。

 「…隊長?何かご用ですか?」

 「ご用ですかって…お前なぁ、任務中に昼寝するなよな!」

 私と『隊長』というその人は森の中にいた。

 「あ…寝てましたか」

 「あぁ、ぐっすりな」

 そうだ…今、任務中だった。

 「もうすぐ敵が動くかもしれない状況だ、だからお前も戦闘準備を整えとけ」

 「了解」

 いつでも戦えるよう、手持ちの武器の手入れをすることにした。我々が使用する武器は、小型ナイフが装備された特殊なショットガンで、近距離でも遠距離でも戦えるように作られた特注品である。しかもこの武器は…()()が持つ『異能力』が無いと使用できない仕組みらしい。

 「敵襲ぅぅぅ!敵襲だぁ!」

 手入れを終えると一人の兵士が赤い煙を空に打ち上げた。

 「行くぞ、71番!」

 そう…私は、魔法兵士71番だ。我が国の正義の為…そして戦う為に生きている…。

 けど、…は………!

 「       」


 ジリリリリリ!ジリリリリリ!


 スマホから目覚まし時計のアラームがなっている…、朝か。

 「キリカ!おきた!」

 目の前に、シロがいた。

 「ぎゃぁぁぁぁ!」

 思わず手持ちの枕を投げてしまう。

 「…痛くない、あたたかい!」

 シロは不思議そうに枕をモチモチと触り始めた!…というか、なんでリビングにいるの!?

 「返して!」

 そしてすぐ私は枕をシュッと瞬殺で取り返した。

 「むぅ…」

 「むぅじゃない、シロは変態か!」

 最近シロが私にベッタリとくっついている気がするせいか、変質者みたいになっていく…。

 「…キリカといっしょにいる、約束…した」

 「…え」

 シロがいきなり涙を流し始める。

 「ぼくが守るから、ひとりはだめ…」

 シロ…、

 「あなたそんなに、私の側にいたいの?」

 私は恐る恐るそう聞くと、

 「ん…?約束…、仲間!仲間の約束!」

 仲間の約束?それはどういう…、


 ジリリリリリ!ジリリリリリ!


 さっきからうるさいな…って、よく見たらスマホの画面に『社長』と表示が…社長からの電話が来ていた。目覚ましではなく、電話のアラームだった。

 『もしもし!電話はさっさと出る!』

 「はい!先程起床しました!」

 『なら、すぐに事務所へきてくれ!これから緊急会議を行う!』

 不思議だ。朝から会議なんて珍しい…、

 「あの…理由を聞いても?」


 『任務中のAjisai_chanが、昨晩から行方がわからなくなっている』

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