非常事態の対応で
「まぁ…非常事態の対応だというのはわかるのだが」
私とシロはなぜか正座で、社長のお説教を受けている。
「まずは…キリカ。あなたは『運び屋』であり『戦士』ではありません。いくら過去に戦闘経験があるからと言っても、あなたはまだ15歳の一般人…そして未成年だということを頭の片隅に入れておきなさい。あの時Ajisai_chanの援護が無かったら、今頃あなたはあの世逝きだったのよ。次からは戦わないで、すぐ逃げる!わかった?」
「はい…」
「次に…シロ。まず…あなたは今の立場を理解してますか?突然現れては本人の許可無しで勝手に幼女と契約した挙句、悪魔なのに悪魔討伐に協力した…政府に見つかれば大問題ですよ。契約したからには…まず、これ以上その姿で表には出るな。その異様な姿が写った写真が既に拡散されて、現在指名手配されているから。そしてもう一つ…これからは、何かあったら『戦う』のではなく『守る』ことに専念しなさい!それがキリカの為になるから…」
シロに限って、話が長い…。
「キリカ!あなたも関係する話だからよく聞きなさい。あなたは…キリカは例えかつて戦争で使われた元『魔法兵士』だったとしても、もう戦わなくて良いの。私は、せめてもうあなたが戦わなくて良い生活を送らせるために運び屋として雇ったんだからね。だからシロ…あなたには、キリカの平穏な生活を守ってもらうからね、それが条件であなたも雇っているのだから」
え…シロも、雇っている?それってどういう…、
「…あ、言い忘れてた。シロも今日から運び屋メンバーに加わり、キリカとペア組んでもらいます」
なんですってー!
「悪魔と契約して長時間離れていると、少しずつ寿命を削られて…やがて死に至るという報告例があるくらいだから、ペアとして働いてもらったほうが好都合というわけです」
「キリカ、一緒!」
「そこ!喜ばない!あなたはせめて一般人に近い姿になる練習をしなさい!」
「はい…」
シロが落ち込んでいる…なんか新鮮だ。
「…キリカも、後でAjisai_chanにお礼言っときなさいね。以上!」
そしてようやく、社長によるお説教から解放された。
自販機前に来ると、そこには休憩中のAjisai_chanが休んでいた。
「Ajisai_chan…」
「…何?」
嫌な目で見られている…、
「助けてくれて、ありがとうございます」
「…一応、仕事ですから」
Ajisai_chanの仕事は『何でも屋』で、主に悪魔討伐を担当している。
「…もういい?」
Ajisai_chanが少しイライラしている…?
「う、うん…」
Ajisai_chanは缶ジュースをゴミ箱に捨てると、
「アンタさ、もう戦わないでよ。仕事の邪魔だから」
…と何処かへ行ってしまった…。
「…仲悪い?退治する?」
「しない。一応仲間だから」
Ajisai_chanはいつも何考えているのかわからない…だから、いつも…言いたいことを上手く話せずにいる。
「…キリカのやつ、なんでいつも…」
Ajisai_chanはイライラしていたが、表情は少し曇っているようだった。




