13.ダンジョン攻略2
「それにしても……石畳に石の壁、凹凸なし……曲がり道も多い。迷路っぽいな」
アーロンが床をコンコンと叩きながらそうボヤく。
ダンジョンといってもその性質は色々だ。相手を殺すことに全霊を尽くしたもの、試練を与えるようなもの、素材採取に特化したもの。これがどのようなダンジョンかはわからないが、生まれたばかりのダンジョンにしては嫌な気配が充満しているように感じられた。
「とりあえず、先を見てくるよ」
ノアがひらひらと手を振るのを止めて、ロープを渡す。
「……いや、そんな遠くに行くつもりはないんですが」
「じゃあ、単独行動はダメです」
「斥候の意味」
「ダメです」
ハロルドに強く反対されては行くことができないとノアは「はいはい、仰せのままに」と降参した。妖精たちに向けても同じ注意をしている。厳しい表情も合わせて安全を重視したのだろうと判断できた。
「でもぉ、ウチらなら危険ないと思うんだけどぉ」
「ダメだよ。逸れたら、俺が寂しいでしょ?」
やんわりとそう言うと、リリィは照れたように「ハルが言うんだったら仕方ないわねぇ〜?世話が焼けるんだから!」とハロルドの肩に座った。
「エリザ、覗き見バットくんを使ってくれないかな?気になることがあるんだ」
「型落ちの3号でよくって?」
「いいよ」
ハロルドとエリザベータ以外は「型落ちってことは新しいものを入手してるのか」「そこまでして監視したい!?」と複雑そうな顔をしている。当のハロルドが受け入れているため、文句を言えないが「相変わらずヤッベェな」と思われても仕方なかった。
蝙蝠型の魔道具がエリザベータの指示に従って飛んでいく。しばらくすると、エリザベータの眉間に皺がよった。
「反応が消えました」
「なるほど……このダンジョン、一度離れたら合流するのは難しいかもしれないな」
ハロルドとエリザベータの実験結果を聞いたノアの顔色は青い。
「とりあえず、それが分かっただけでも良しとしよう。アーロンとペーターも、しっかり付いてこい」
アイマンはマジックバッグ内から大きな盾を取り出すと「俺が一番前を歩こう」と言った。シャルロットは自分がハロルドの一番近くにいる方が安全だろうと頷く。
「じゃあ、俺は殿を務めるよ」
ノアがそう言って一番後ろに立つ。
想定より性格が悪そうなダンジョンに、ハロルドは警戒を怠ってはいけないと気合を入れ直した。
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