もう、疲れたよ
数日後、健太の様子に異変が現れた。
「この桜が咲いてる木の下から 動きたくない」
「何を 言って いるんだ?」
鬼空は、不可解な気分が胸を突き上げた。
11月だというのに、桜など咲いてるはずが無いのと、健太の居る周りの木は葉っぱさえ枯れて落ちていた。
「この春から 出たく無いんだ。……寿樹、僕と一緒に残って……。」
健太は泣いていた。
鬼空も泣きたかった。
「もう、時をみんなと 進みたくない。 寿樹は僕と一緒に この一生桜が咲いてる場所で 永遠に生きてくれる?」
何処から持ってきたのか 新しく光るナイフが 健太の腕に乗る。
永遠にあっちの世界で生きるってことか!!
「バカ❗やめろ。」
鬼空は ナイフを取り上げようとした。
取り上げるときに、力が二人共入り過ぎて 鬼空の腕を切ってしまった。
血が流れる鬼空
血が流れる様を見て
血を見て
健太が おかしくなる。
「あーーあーーーあーーーあーーーー」
まるで てんかんを起こしたごとく 口から泡を出して痙攣した。
鬼空は 健太を抱き抱えた。
「健太ーーーーーー!」
健太は普通の病院でいいのか?
弦賀と話をする鬼空
「わたしが看て ご不満にならなければ よろしいです。」
いや、健太が弦賀によくない計画立てたところだから 止めておいた方が良さそうだ。
「で、結果どうなった?」
「よくないです。」
「詳しく教えろ!」
「今の健太さんは、入院しないといけない状態なのですが、ベッドが空いてないので、帰宅させられました。」
「何だって!?」
「どういう、症状なんだ。、どう対応したらいいんだ?」
「同時に聞かれましても、答えようが有りません。」
「わるかった。」
「まず、健太さんは症候性部分てんかんと診断されました。」
「どういう病気だ?」
「脳の部分を大きく取らないといけない状態なんですけど、今すぐに手術が出来ない為、薬で様子を見ます。」
「なんだって!今すぐ取ってやれないのか?」
「脳ですから。それに、切り取ったから必ずしも良くなるとはいえません。」
「どーゆう事だ!」
「悪い部分は取り除いたとしても、脳ですから、取る部分によって何らかの障害が残るでしょうね。」
「例えて言ってくれ。」
「例えばですよ、側頭葉を切り取りますと、言語の障害が残ります。だいたいがてんかんの焦点となる事が多い部分です。前頭葉ですと運動機能に障害が出ます。頭頂葉は空間や感覚障害。後頭葉は人の顔や物の認識障害ですね。」
「で、健太のは何頭葉なんだ?」
「後頭部辺りらしいのですが、健太さんが頭部を何か外傷追う事とかありましたか?」
鬼空が健太を良く殴っていた事を思い出した。
「殴った事はあるぞ。」
「ありますねぇ、いっぱい。」
「殴った後に、後ろのテーブルに頭をぶつけた事あったぞ。」
「それ、後頭部じゃないですよね。」
「頭の後ろだ。」
「一番当てちゃいけない所じゃないですか。」
「そんなん、知らなかった。殴ったら勢いで倒れてゴンって音がした。」
「なんで、言ってくれなかったんですか?」
「その後、いつも通り過ごしてたし。」
「幼少期にてんかん経験があったとしても、なかなか大人になってまで続く事はないんですよ。なにか他に変だと気付いた事はないですか?」
「うーん、寿樹からも聞いた事なんだが、健太が口でしゃべってるにも関わらず、それ、喋ってないのにどーしてわかるの?って度々聞かれるそうだよ。」
「それ、いつ頃ですか?かなり前から寿樹に聞いてた、わたしも先日、喋ってないのに何故わかるの?双子には変な力があるねって。健太から言われた事がある。寿樹が言ってたのはこの事かと思った。」
「不思議な現象ですね。てんかんを助長させるなにかがにおいますね。」
弦賀が顎に手を付ける。何か考える時によくこのポーズをとる。
「欠神発作とも似てるような、複雑部分発作のような、もしかしたら健太さんは日頃から小さな発作を繰り返してたかもですね。」
「本人は何もいわなかったぞ。」
「いや、本人は意識ありませんから。」
「じゃあ、記憶がないと健太が言った事は本当か?」
「興奮すると発作は起きやすいと言いますので、それかと思いますよ。」
「もう、発作は起こさないようにした方がいいのか?」
「そうですね、小さな発作が脳を傷つけるので今回の大きな発作に至ったわけですから。」
「わかった、これからは独りで御師の仕事に励むことにする。」
「わたしも、側近の仕事出来ますよ。」
「じゃあ、掃除に洗濯よろしく。」
「それは、側近じゃなくても誰でも出来る事ですよ。」
「わたしは健太の看病をするから、その間頼む。」
何か言いたそうにして、口をつぐんだ弦賀。




