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健太の日記  作者: 蔓草登上
89/111

正直に話したつもりが裏目に出た

挿絵(By みてみん)


BGM♪「ツキミソウ」Noyelbright




 偽装ぎそうだけど、鬼空きくうせきを入れると話した。

望は健太と別れると言い出した。

健太は舞夕璃まゆりのために、離別はしないと話した。

すると、望は決心して次のように語った。



「寿樹さんと最初のお約束は、代理出産だけでした。それを自分の手で育てたくなったのは私のわがままです。その後、健太さんが籍を入れて下さり、私は最高に幸せでした。でも、わかっています、いつか舞夕璃とも健太さんとも別れなければならない事を。」



望は後日、離婚届に印鑑を押して持ってきた。

後は健太の名前だけだった。

健太は離婚届を出さなかった。

望はめっきり暗くなった。

健太の心は深く泥沼に落ちた気分だった。

そして、這い上がってこれない。



鬼空が気を使って言った言葉も、また健太を苦しめた。

「わたしは大丈夫だ。偽装結婚の件は止めにしておこう。」



「離婚届は出さないから、今も舞夕璃の父親だ。」

健太は天を仰ぐように 上を向いた。

涙がこぼれない様に。

鬼空は健太の肩に触れた。

「舞夕璃の為にそうしてやった方がいい。」



「望の心は離れてしまった。彼女の心の中は今も離婚中だ。何もかも失敗してしまったよ。」

涙がこぼれ落ちる健太。

「うん、まぁ、しょうがないよ。」

「こんな形で別れたくなかった。」

「望がどんな気持ちになるかわからなかったのかよ」

「わかってたなら なんで止めてくれなかったんだよ!」

「健太が望と別れたいんだと思ったから。」

「……お互い傷つかない方法なんて、あり得なかったのかもしれない。僕は目の前の事しか考えていなかった。」



こんな時、寿樹だったらどんな気が落ち着く説法をしてくれるだろう。鬼空では解決策が足らなすぎた。


健太はまた、自暴自棄に陥るのだった。



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