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健太の日記  作者: 蔓草登上
88/111

オス×オスの場合 どちらが先にメスになるか

挿絵(By みてみん)


 松下望まつしたのぞみは、坂受健太さかうけけんたの当初高校で1学年下の後輩だった。


一途に健太の事が好きで、高校時代から 健太と寿樹の仲の事は知っている。




 あるとき、寿樹のお腹に健太の子供が発覚して、子宮が完璧でない寿樹の体内では死産が目に見えていた。松下望は、寿樹のお腹の子供の代理出産を決心する。


 上手いこと無事に産まれて来たのが、舞夕璃まゆりで産まれて来た途端、愛着心から舞夕璃を手放せなくなってしまった。


 寿樹からは 承諾をもらっているが、舞夕璃は望が育てる事となった。父親の居ない子供は可哀そうだと、健太と結婚をする事になる。


そういった経緯をわかっていた望だが、一つ一つと自分の理想の家庭を作りたいと 健太に求めるのである。


 それもあってか、健太は家に帰らない生活を真正家でおくっている。





BGM:♪「かごめ(ACOUSTIC VCR.)優里

日曜なので、坂受(松下)望アルバイトに来た。

健太から 事前に連絡をもらっていた為、

今日は話があるから 舞夕璃(まゆりを連れてきて、ゆっくり夕飯を囲むことにしている。


鬼空と健太のやり取りを マンガに描かれた二人。

「おい、こんな事かかれとるぞ。」

鬼空が気が付いて 健太に言う。

「ホントだ。恥ずかしいな。」

舞夕璃にもう一人のお母さんは この神社の偉い人とわかっている感じがあって、やたらと鬼空の姿を追う。

「舞夕璃ちゃん可愛いな。」

自分の子でない 鬼空が感じる。




 怒られるのが嫌だった舞夕璃は、屋敷を逃げ出した。


鳥居を抜けて、何やら人の歩いている道をたどった。横道に池があり、その中に色とりどりの大きくて奇麗な魚が泳いでるのに気が付いた。


 舞夕璃の小さな足は 池へ向かっていた。


お母さんから勝手にどこかへ行っちゃイケナイと言われていたが、ここはもう一人のお母さんのお家だと思っていた。


色とりどりの 大きくて奇麗な魚をしきりに眺めた舞夕璃の姿を見ている者があった。茂沼竜也しげぬまたつやだ。彼はほぼ毎日池を見に来ていた。


健太が 血相変えて探しに来たのを 呼び止める。




「お久しぶり。側近さま。」


「竜也。舞夕璃…いや…あの子巫女さんの娘さんなんだ。」


「へぇ、オレには屋敷ここにいるから、御師様の子供だと思ったぜ。」


「竜也、その話はまた後で いいかい。」


「あぁ、全然かまわないよ。御師さまの幼い頃そっくりな あの子の話はな……。」


やっぱり、……僕が思うように、舞夕璃は寿樹の幼い頃にそっくりなんだ。村の人だったら誰もがそう思うんだろう。


「いいじゃないか、あんなに池の鯉を眺めているんだから。少しは 眺めさせてやるがいいよ。」


健太がハラハラしていると。


「側近さま忙しいなら、オレが見といてやるよ。」


「いや、それには及ばないです。」


「忙しいんかい?」


「それほどではないです、アルバイトの居る日なんで。」


竜也に肩を組まれた。



「それならよう、お父さんも一緒に付いててやるといい。」


なんで そんな事知ってるんだ?竜也を見る。


「図星だったか?ジョーダンのつもりだったんだがな。幼い子を血相変えて探しに来るのは 親しか居ないもんな普通。」


そうか、僕の行動で竜也にもバレバレだったのか。


「そうだよね、幼い子供の側にいるのは 親だよね。」


「そうさ、自然界の世界だって常識さ。」


茂沼竜也が池のふちを指さして見せる。


「タニシがよ、2匹くっついてるだろ。よーうあっちもこっちも つがいになってやがんのさ。」


「う、うん。」


健太は言われた通りに、くっついてるタニシを見る。


「オスがさ、メスに四六時中くっついて離れんのよ。メスはそんなんお構いなしにオスを背負って御飯食ってるわけ。」


「そうなんだ。重そうだね。」


「メスは卵産むし、オス背負うし、それで一回りデカイわけ。」


健太は まるで御師にくっつく自分をイメージした。


「それで、夏には産卵のピークよ。」


「なんでも詳しいね。」


「水の中の事なら何でも詳しくなっちまう、こいつらが居ないと池の藻は増えて泳いでる鯉は酸素不足で死んじまうんだ。」


「ほどほどが良いんだね。」


「魚の世界ではハタが群れで移動しているが あれは1匹オスで後はみんなメスなんだぜ。」


「え?魚の世界にそんなハーレム状態があるの?」


「これをハーレムと言ってだな、今しがた側近さんが言ったハーレム状態なんつう言い方の語源がここさ。」


「あ、ヨコシマな言葉の意味しか知らなかった。元々群れの中でオス1匹あとみんなメスの事をハーレムと言うんだね。」


「元々、オスもメスだったのよ。群れの中で一番身体の大きいヤツがオスに変化して、精子を作る。そのオスが居なくなると、その群から次に大きなメスがオスに変化する。こんな合理的な生き方が出来る魚だってあるんだぜ。


俺なんか、一生のうち女の子ゲットできるか分からない人生だつーのに、かたわ出会った魚で性別を変えて一緒になれる仕組みだ。素晴らしくないか?」


「あ、ああん。そうだね。」


健太の中で、寿樹が性を変えて行った経緯を考えていた。


「竜也、その性を変える時って お互いがオスな時 どっちが先に 性を変えるの?」


「そりゃ、相手と繋がりたいと思った側が変えるんだろう?オレはその気持ちになった事がねぇからわかんねぇけどな。」


「人間に例えると、相手を好きになった方が 先に性を変えるってことか。」


「人間は 雌雄異体だから そんな事おこらないけどな。」


そんな事 起こらなそうで、寿樹の場合 性が変わっているんだよな。




舞夕璃は無邪気に鯉を追って見ていた。





挿絵(By みてみん)

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