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健太の日記  作者: 蔓草登上
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鬼空のパンツ

挿絵(By みてみん)



 元、寿樹じゅきの部屋へ入ろうとすると……。


鬼空きくうがパンツ……いや、トランクス一枚で足の爪を切っていたので トランクスの裾から何か大事なものが見えてしまいそうで 見てしまいそうで 見てはいけなくて……。思わず。


「なっ なんて格好してるんだよ!」

と怒ってしまった。


案の定、怒られると怒り返してくるのが 鬼空の性格で。


「俺の部屋なんだから 何しようが勝手だろ!」

と怒鳴り返されてしまった。


それは、寿樹がお嫁に行ってしまって 居ないのと。

御師おんしの後を受け継いだのは 正真正銘しょうしんしょうめい 鬼空だ。

御師が御師の部屋を使って なにも悪くなんかない。


膨らんでもいないのに 身体のラインが丸みをおびて来たせいか 乳が 乳房をイメージさせてしまうのは 僕だけだろうか?

「ふ、ふ、服ぐらい着てよ。」

焦って どもってしまった。

その様子を見て 鬼空が 面倒くせーなとつぶやいて Tシャツをズボッと着る。


大方の予想通り 弦賀つるがさんとケンカするくらい 何か言われたのは こうなる事が目に見えていたと 自分でも気が付いているらしい。


健太が 背を向けて部屋に入る。

「パンツ一枚がおかしいのか?」

後ろから鬼空の質問が来た。


「パンツじゃなくて トランクスが 可笑しいんだよ。」

「トランクスじゃなくて ボクサーパンツか?」

「男性もんじゃなくて……。」

鬼空が 立ち上がると 健太の胸倉を掴み上げた。

「じゃあ、お前に男性もん以外の下着持ってるのかよ!あ!?」

苦しそうに 引き上げられた健太は

「……な……い……。」

と答えた。

「ごめんなさいは?」

「げ……めん……なひゃい……」


半べそ泣きながら 降ろされた健太は 即座にパソコンを立ち上げて 打ち込んだ。

回転させて ノートパソコンの画面を見せる。


「好きなの 選んで。」

画面には 上下セットの女性もの下着が ずらっと並んでいた。

目をパチクリさせる鬼空。顔を近づける。

「これは、俺がつけるのか?」

「そうだよ。」

ゴクリと唾をのむほど 男性には 縁の遠いブラジャーと パンティーが並んでいて 眩しくて見れなかった。


「今は 無いけど。ブラジャーも買っておいた方がいいよ。上下セットで。」

「だから、どれを よう!」

鬼空が 動揺している。

無理もない 今まで 男として生きて来たのだから、完璧に思考回路が男目線でしか見れてない。

「鬼空が 好きなので いいんじゃない?」

「それって……。」

「うん?」

「男目線でしか 選べないけど……。」


「う、うん。」

鬼空の言いたいことは 充分分かった。

「黒のレースとか 紐パンとか ティーバック」

健太の頭を スパコーン!!と叩かれた。

「いだっ!」

「何をそーぞーしてんだよ!エロいな。」

急にお顔を赤らめて 反発する僕。

「卑怯だぞ。」


 パソコンをのぞく鬼空の横顔、長い髪が垂れて 白くて細い体の上を 砂のように流れ落ちる。

鬼空なら、この中の下着も似合いそうだ。


 鬼空が 完璧女性になったら エロいのは 僕だけになる……。怖いな……。

今まで 同調してくれる 仲間が居たことに 自分の中で 安心があった。

けど、 今度 鬼空まで女性化してしまったら 誰が 僕の悩みを聞いてくれるんだろう?

一人ぼっちになるのでは ないだろうか?

鬼空が 健太の顔を覗きこんだ。

「何 心配そうな顔してんだよ。」

「いや、男 僕一人になってしまうのが こわいなって……。」

「何言ってんだよ!俺とお前の仲だろ!おっぱいくらい揉ませてやっから。」

ニヤニヤして肩を組まれる。

「うっそ!!」

突然 鬼空がオチャラケタ タコ口をして見せる。

やられた!

今、凄く得した気分に一瞬なれたのに、鬼空はやっぱり 意地悪い。


今夜は 真剣に 楽しく下着を本気で選んだ。














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