襲われる寿樹
赤城家の屋敷から
一方、赤城家では。
寿樹は恭司郎
につかまり大変な事になっていた。
「弟は手が遅いから、俺が遊んでやろうか。」
ニヤニヤしながら恭司郎が暇そうにやってる。
清一郎が仕事へ出かけると決まって寿樹の所へやって来てはちょっかいを出すからたまったもんじゃない。
「DSD障害の寿樹ちゃん。それとも寿樹くんなのか?」
寿樹の横顔をなめるように見て触る。
「やめろ。」
「身体は女体化しても、中身は男って、よくある話だよね。」
恭司郎は昔から頭がキレていて、さらに暴力的だから寿樹は大嫌いな男だ。
逆に恭司郎も寿樹がキレ者と思っているから、弱みを握るといじりたくって仕方ない。
「なぁ、地位と名誉と金に溢れて何一つ不自由しない寿樹。そんなお前が今は俺の家中では配下だ。お前の苦渋な顔を俺は見てみたい。」
高良かと笑う。
恭司郎は人の不幸を喜ぶ性である。
恭司郎は寿樹に襲い掛かるが、女性化している寿樹に対抗できる力量差は目に見えている。
寿樹は近くにあったツボを恭司郎の頭に投げつけて屋敷を出て行った。
私は自分の心に蓋をしていたのか?健太の顔が出てくるなんて。
あんなに頼りないと思っていたのに、いざ恭司郎に襲われた時に健太を叫んだ。
でも、 その声は虚しく……。
寿樹の足は電車に向かって走っていった。
スマホと財布は持っている。
電車の先は、真正家の最寄り駅。
電車の中で、スマホが音を鳴らした。
弦賀からだった、幾分ホッとした。
「今からそちらへ向かう。」
そういうと寿樹は電話を切った。




