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健太の日記  作者: 蔓草登上
55/111

赤城家へ許嫁 最終

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

続き



「清一郎!!」


珍しく寿樹が叫んで起きた。



 そこは見慣れた天井と健太の部屋だった。


「ごめん、清一郎じゃなくて。」

健太は寿樹の直ぐ近くで手を握って待っていた。



 寿樹は清一郎が恭司郎に摂関される夢を見ていた。

よく考えたら、清一郎に帰れるようにしてもらい、健太達に連れて帰ってもらったのだ。

車中で寝てしまい、力のある男衆に健太の部屋まで運ばれたのだろう。

赤城家では相当神経を使っていたのだろうか……。


 隣で健太が泣いている。


「なぜ泣く?」


「今回の件で寿樹が好きな人が清一郎だってわかったから、結婚したくても従弟だから寿樹はあきらめていたんでしょ?子供がせっかく産めるようになったのに、子供が産めないってつらいよね。」


「健太、おまえの勝手な解釈だ。」


「勝手なんかじゃないよ!!寿樹が戻ってまで助けたい人が居たって事実がここにあるじゃないか!!寿樹が僕との結婚をずっと拒んでいる理由やっとわかったよ。」

寿樹は健太の離した手を再度取った。


「いつものお前らしくない。」


「本当は悔しいんだ、あの清一郎に寿樹を取られた気分で。目の前にいてどんなに頑張っても掴めなかった寿樹があの清一郎という男に取られてしまうと思うと悔しくてたまらないんだ。」

寿樹は健太を見つめた。

いつもの明るい健太が消えていた。


「掴んでみよ。私はここにおる。」

寿樹は健太の手を自分の方へ引き寄せた。


健太は寿樹を見ると、泣き崩れるように寿樹の膝に顔をうずめた。


「側近よ、私はまだやる事があって連れ戻しに来たのだろう。さあ、私に命令せよ。」

健太は膝の上で泣いて寿樹をぎゅっと抱きしめた。


「うん、まだ仕事は沢山ある。ずっとずっと僕の側にいて僕を支えて下さい。」




8月が終わろうとする31日。

9月の風がさぁーっと吹き付け渡った気がした。







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