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健太の日記  作者: 蔓草登上
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真夏の夢

挿絵(By みてみん)

真夏の夢





 寿樹が一度でも 愛してくらたらな……。


寿樹がもし こんな僕を 愛してくれたら……。



どーなるんだろう?



 ウトウトしていたのか、どのくらい立ったであろう。

耳元の布団が 何かの重みでヌシッと沈みかけたとき、「愛したら、どーなる?」とささやく声が聞こえた。

振り向いたが そこは 真っ暗で見えなかった。


「私が愛したら おまえはどうなるのだ?」

この声は寿樹だ。


「寿樹……嬉しいよ。嬉しいに決まってるじゃないか。」

何処にいるのか 探そうとする手を 握ってくれた。

寿樹は話始めた。

「愛してると言ったら、それでいいのか?おまえは それで満足するのか?」


「うん、僕は幸せな気分になれるよ。」


「ならば、おまえに言おう。健太を愛している、と。」

「本当!?」

寿樹を捕まえて向き直った。

「本当だ、愛している。」

「信じられないや!!」

健太の言葉は歓喜に満ちていた。

「信じてくれ、愛している。」

そんな寿樹をギューッと抱きしめた。

「じゃあ、なんで今まで一言も言ってくれなかったの?」

御師おんしには、年に一度、本音を言っていい日があるのだ。」

「本音?」

「それが、今夜だ。」

「夜なの?」

「そう、夜の間だけだ。三日月が細くなり本当の闇が訪れた時、誰にも見られずに本音を言える。」

そんな、習わしがあったんだと思った健太。


「一年に一度でも、そんな時がくるなら。僕はその時の言葉を忘れずに希望を持って生きていけるよ。」

「健太・・」

「寿樹、もう一度言って」

「愛してる」

「僕も愛してる。やった!これで本当にゴールインだ!僕は片思いじゃないぞ!!」

「フフッそんなに喜ぶのか?」

「ちゃんと座って、面と向き合って言おう。寿樹愛してる。結婚してください、一生僕の命をかけて大事にします。」

「健太、愛している。おまえを愛して良かったと思える。」

「やったー!僕は今から世界一幸せ者になりました。」

寿樹に愛されてる……。

「……健太さん……健太さん。」


弦賀の声がした。


ミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーン

とセミが暑苦しく鳴いている。



日が傾き健太に直撃していた。


汗が首筋からビッショリかいてるのがわかる。


「こんなところで寝ているから、うなされるんですよ。」

「うなされる?僕が?・・あれ?寿樹?」

あたりを探しても寿樹の姿はない。

弦賀は 健太にシッカリと手を握られて 困っていたらしい。


「さぁ、エアコンのある部屋へどうぞ」

弦賀が案内する。


ついて行きながらハッと思い出す。


あの大事な内容は全部夢だったのか?


やっと、ゴールしたと思ったのに、アレは夢だったのか!?



健太はエアコンの部屋で倒れこんだ。


「チキショー!!」




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