仲直り
2020/07/24
仲直り
居間で大きな声が上がって健太と寿樹は振り返った。
「お飲み続け下さい。」
弦賀の説得する声が聞こえる。
「嫌だ!これ以上女性ホルモンは取りたくない!」
「男性にも女性ホルモンは必要なんですよ。今、不安定になっていますから継続してお飲み下さい。」
ついに来たか!鬼空の発作。
鬼空にはじかれたカプセルは テーブルの上を転がり落ちそうになる。
寿樹がキャッチする。
「女々しくなんかなりたくない!!」
「なりませんよ。鬼空様のご性格なら、絶対になりません!」
「おまえ 俺をバカにしたな」
寿樹が健太に合図を送る。
「鬼空、わきまえろ。鎮静剤うちたいのか!?」
健太が後ろから鬼空を羽交い絞めにする。
寿樹は無理やり鬼空の口にカプセルを押し込む。
「人に迷惑をかける奴はここには置かん!!」
弦賀からコップをもらい鬼空にその水を飲むよう仕向ける。
「飲むか飲まないかはおまえの答えと思う。」
健太は手を緩めた。
鬼空は静かにコップの水を飲む。
「おまえは女々しくなんぞならん、ちょっとホルモンバランスが悪いだけだ、倒れる前に飲んでおけ。」
悔しがる鬼空を後ろから、しっかり抱きしめる。
「今回の事、ごめんね。」
小声で鬼空に聞こえるように謝る。
「何故、健太が謝る?」
「気が付いた。急に愛されたくなってた自分が居たことに。」
「寿樹様ありがとうございます。」
弦賀が寿樹にお礼を言う。
「鬼空にちゃんと説明したのか?」
「したつもりですけど、ご本人が情緒不安定な状態でして・・」
言葉を濁した。




