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健太の日記  作者: 蔓草登上
41/111

仕組まれた 留守番

挿絵(By みてみん)

2020/07/21

健太 鬼空に恋します






 鬼空がどんどん女になってゆく……


健太の願望か? 朝から変な夢を見て起きた 目覚めが 悪い





 真成家で寝て起きて一番にキッチンで鬼空の姿を見てドキっとした。

夢で見た 女性化の鬼空と 一瞬 被ったからだ。


 柔らかな肩、柔らかな顔の輪郭、何となくお尻も丸いような気がする。全体的に柔らかなシルエットに見えた。急に女性ホルモン剤を止めたからと言って、身体の変化は急に止まらないといった感じだ。なんだか顔も可愛くなった気がする。


「おはよう。寝起きの悪そうな顔をしているな」

鬼空が朝食を作っている、珍しい光景だ。


「うん、なんだか悪い夢をみてね。ところで寿樹は?もしかして……」

「俺が起きているんだから、そのもしかしてだろう。弦賀と5時起きで出かけて行ったよ。」


「僕は今日休みだって言ったのに、なんで弦賀さんを運転手に出かけたんだよー。」

「急用って言ってたぞ。」

いつもは健太が運転手になるところだが、朝が早かったせいでまだ健太は寝ていた。

きっと大事な急用が入ったのだと思っているが、健太にとって寿樹を取られた感がたっぷりと残っている。


「せっかく寿樹と一緒だと思ったのに、今日は鬼空と一緒か。」

「なんだその残念そうな言い草は。」

「残念なんて思ってないよ。昔を思い出すなって思っただけだよ。」

怪訝けげんそうな顔をする鬼空。


「何故 昔だ」

「だって鬼空は中学時代を思い出す要素がいっぱいあって……そのヒネクレタ性格でしょ、ヒネクレタ喋り方、ヒネクレタ考え方も……」

「ヒネクレ、ヒネクレってバカにしてんのか?」


「そう、僕をバカにする考え方さ。絶対僕と一緒にいたのは鬼空の方が多い気がするんだけど。」

「寿樹がバカにしてる時だって 絶対あるはずさ。」


「あの頃はよく寿樹に会いたかったな、たまに見せる妖艶な魅力にとても惹かれて……。」

「単なるエッチなだけだろ?」

「寿樹が女の子だとわかってから、スケベなことしか考えられなくて。」

笑いながら照れる。

「まぁ正論だ。」

と言いながら鬼空は健太にコーヒーとパンを出す。


「ありがとう、本当に珍しいね。いつもは逆なのに。」

「健太がグッスリ寝ていたからな」


 寿樹は早起きだけど、鬼空は真逆で、早く起きているイメージはなかった。

珍しく早起きして コーヒーを出してくれる姿は いつもの男っぽい鬼空を脱していた。


飲んでいたコーヒーを置く。

「鬼空はあれから女性ホルモン剤飲んでいるの?」

「何を急に言うのかとおもえば」

「言ってよ」

「飲んでない」

「そりゃ、そーだよね。今さら女になりたくないもんね。」


「……性別って、必要か?」

「……!必要ないよ。友情には。」

健太が答える。

「友情と愛情って星と月位違うと思う。」

「おっ鬼空も詩人的な事いうね。これもホルモン剤のおかげかな。」

「……。」

健太がコーヒーをすする。


「寿樹と弦賀さんは何時に帰って来るかな?」

「さぁ。今日1日屋敷ここの仕事を任されてるからなぁ。」

ということは、

遅くなるかもしれないって事か、健太がますます不安になった。

寿樹が 急な仕事の代金を 僕の時のように身体で払ってやしないか 心配になった。


「ねぇ、寿樹と弦賀さんの関係って……あると思う?」

「ないだろう?」

サラッと答えてくれたので、気持ち良かった。


健太は トーストの上のドロドロの目玉焼きをほおばりながら、もう一度オーブンの中へ突っ込む。


「なんでだ?健太は弦賀に取られるとでも思っているのか?」

鬼空は 自分の焼いたトーストの上のドロドロの目玉焼きを すすりながらほおばる。


寿樹と僕の秘密が喋れず、うろたえていると。


「仮に健太と有っても 弦賀とは無い。」

と鬼空が先に答えてくれた。

「良い事言ってくれるじゃないか!」

健太は 感激した。


「中学の頃からの 担当医みたいなものだからな。」

鬼空は ペロッと目玉焼きパンをたいらげた。




「お前は 寿樹とやれてんのか?」

健太が飲みかけたコーヒーを噴出した。


あららと鬼空がティッシュを渡す。

渡されたティッシュで拭こうとするが、自分のむせ返りでそれどころじゃない。

自分の衣類にこぼれたコーヒーをタオルでゴシゴシ拭いてくれている鬼空。

股間がこすれて ヤバッと腰をかがめた。


「動揺させたな。」

しゃがんだ姿勢から 立っている健太を見上げる鬼空の瞳に ドキッとする。


「自分で拭ける」

鬼空のタオルを取り上げて

必死でコーヒーのシミを拭く健太。

「こりゃ、洗濯だな。」

「!?」

気がついたら、僕のズボンは半分まで下げられていた。

パンツの中で しゃちほこのようなものが見えた。

「なんで……」

鬼空が喋るのを遮断するように、鬼空を押しのけてしまった。

「うわぁ!」


床に尻もちをついた格好の鬼空をおいて

自分が洗濯場へ向かっている行動が わからないくらい パニックになていた。

今日は 真正家のヒマな日にわざわざ有休をとって 寿樹のご褒美にありつこうと準備していた訳で

あっちのヤツは元気な暴れん棒なのである。




着替えを済ませて戻ると

オ-ブンで焦げたト-ストを出して鬼空が待っていた。


「ごめん、忘れてた。」

目玉焼きはちょうどいい感じだが パンがまる焦げになっていた。


「俺こそ悪いことしたな、その……アレがそんなに敏感だと知らなくて。」

鬼空には、無いからわからないんだ!


二人の考えていることが交差した瞬間だった。


……ごめん。僕は君を見て興奮していたんだ。

寿樹と瓜二つの鬼空の何処に線などあるのだろう?

今こうして、少しでも女性化して優しくされたら、好きになってしまいそうだ。


鬼空は長い髪を結い直した。

健太が手伝うよと櫛を持って行く。

長い髪が、寿樹と一緒に美しい。


「寿樹と……最近やれてないよ。」

察して、鬼空は 直ぐに返答した。

「そうか。」

鬼空は 健太を見た。

その顔は、何を物語っているのか わからない。

僕から 言い出せない。

お互い ジッと見つめ合っていた気がする。


「鬼空は 薬止めたら……大変になるんでしょ?」

「あぁ。」

「どうなっちゃうの?」


「Au-物にあたる。壊す、破壊する。」

「寿樹が 酷く怒ってたやつだ。」

かなり昔に そういった神仏が壊れた事件があった。


「鬼空と僕がお互いの……足りないものを満たせたら、それはそれで ありだと思う?」

鬼空が 驚いたように僕を見つめた。


言葉に出して初めて気付いたが、もしかして、寿樹は僕が 有休取って休んでいるのを逆手にとって

鬼空の 暴走行為を止めようと わざと 僕たちで解消法を作らせようと 二人で留守番させたのか?

一瞬、頭を良くない事がよぎった。

「寿樹って、腹黒いと思う?」

「頭良くて、腹黒いよ。」

サラッと言われた。

青ざめる健太。

ワザとなのか、ワザとじゃないのか そこが問題だと 健太は考えた。


鬼空は立ち上がると 健太の唇に軽くキスをした。

キス?

キ……ス!? 




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