アレアソコにアレが無い
2020/07/17
―鬼空のアレアソコにアレが無い!?―
熱い、プールへ娘を連れて行ってあげたい
一つ思い出した そういえば、長年 一緒に行ったことのない人がいる事を……
健太は仕事終わりに真正家へ駆けつけた。
玄関先で弦賀が目で追いかけた。
ローカ先で健太が通り過ぎていくのを見た寿樹。
健太はノンストップで鬼空のところまで走り抜けた。
驚いた鬼空は
「健太、どうした?」
健太は肩で息を切らして言った。
「そういえば、鬼空はプールへ行ったりしてないよね。」
「学校依頼 行かないな。それがどーした?」
ごくりと唾を飲み込んで健太が言った。
「一緒にプールへ行こう!」
明日は土曜日だった。
「どーして?」
「どーしてもだ。」
「たまには 焼こうよ。」
「行かれない。」
「一緒に行きたい。」
「ないから。」
「行ったら 気分変わるかも。」
「だから、ないって。」
健太と鬼空の会話が灼熱する。
弦賀が心配そうにのぞき込んでいる。
鬼空が目で大丈夫と合図を送る。
「こんなに暑いんだから、うちの子とプール行こうよ!」
「そんなもん 望と行ってこい。」
「だって 望は仕事で 1日中家で子守りなんだもん。」
「家族が 帰ってきて良かったと 思いきや 子育てに困っているのか?」
苦笑いをしながら
鬼空は健太を奥の間へ連れて行った。
奥の間は 光が入らず いつも同じ湿度で ひんやりカビ臭い。
「鬼空がDSDだから?」
奥の間に入って健太が聞く。
「別に、今は安定しているから…」と言って健太の肩に手を回すと 抱き寄せるように自分へ近づけた。
鬼空のお香のかおりがして、一瞬ドキッとする。
僕の手を取ると その手は鬼空の股間へ押し当てられた。
そのまま
動きが止まった健太。
自分は何をされているのか わからなかった。
「ないだろ?」
鬼空が一言喋って 初めて気が付いた。
ない!
自分にあるものが、鬼空に無い!
あるはずの凹凸物に当たらなかった。
ハッと顔を上げる健太。
やさしく微笑む鬼空。
「な、プールへはいかれないんだ。」
健太は頭が真っ白になり、ひたすら謝った。
「ごめん。ごめん。なんて言ったらいいんだろ……ごめん。」
鬼空は上半身は全くの立派な男性だった。
発言といい、態度といい、どれをとっても男性だったからだ。
だから、下も立派な男性だと思いこんでいた。
そう言えば、弦賀さんは最初の双子は見た目女の子だったと言った。
寿樹は女性に鬼空は男性になったというから、てっきり下もついてるものと思っていたのだ。
しかし、長年、裸を見せ合うこともなかったから気が付かなかった。
今回、気が付いたのは今まで鬼空とプールへ言った事がなかったからだ。
それ以前に男同士裸の付き合いさえ無かったし銭湯だって行った試しが無かった。
鬼空は完璧、男性と思い込んでいた。
「一時期はアメリカでペニスを付けるオペをしたんだ。しかし、それが合わなくてね。染色体は完璧男だったのだが、オペが悪かったのか原因は不明。
俺の気持ちが限界だったのかもしれないな。もう、自分の身体に触れられたくなかったんだ。検査恐怖症というべきなのか・・」
鬼空は自分の事を話し始めた。
「とっちゃったの?」
「つけても機能しなかったからね。」
「鬼空の彼女さんて、それを知っているの?」
「あぁ彼女は子供が欲しいと思うよ。でも、俺の子供は出来ない。養子をもらうか他の男と一緒になる方が幸せだと思う。」
「そんなことないよ、彼女は鬼空の事が好きだよ。」
「寿樹はその点、運がよかったな。卵巣が出来たんだ。健太、お前のおかげで。」
「いや、褒められることはしてないと思う。」
「その点俺は、失敗作だ。長い間研究所へ入っていたのだがな。」
寿樹は表に出てきていたが、鬼空はあまり見ない学生生活だったと思う。
「染色体の数は男性が多かったのに、いざつけると合わないなんて皮肉だね。」
「そう、遊んでいた寿樹の方が立派な女になれちまったって訳だ。」
「鬼空も大切だよ。僕にとって、二人は中学の時の大親友だ。」




