秘密をばらした
2020/07/07
だー!あつい。
七夕って こんなに 湿度があったっけ?
それとも この コロナのせいで 身体が重くなったのかな?
真正家の敷居をまたぎ 畳の上で倒れる 健太。
健太の仕事が 始まったから 家に帰るも、帰宅後は一人ぼっちになるので 寿樹の処まで帰るのだった。
「相変わらず 家に帰らんな 健太。」
鬼空が 遊び相手が来たと 思って喜ぶ。
「夕飯作れよ。」
鬼空も食事の手伝いをさせられていたので 健太にやらせようとした。
「こら、鬼空。」
すかさず 寿樹から叱咤される。
「自分の仕事を 健太に任せるな。」
寿樹は 斎服にアイロンを かけていた。
僕は 寿樹の側に 行って。
「僕が 居ないと みんな自分たちで 雑用するんだね。」
「当たり前だろう。」
アイロンがけに 四苦八苦してる様子を見て
「僕が やりましょうか?」
と声を掛ける。
寿樹は 煙たそうに 断る。
「ボランティアだから、お金はいらないよ。」
その響きに 惹かれた感があったが 持ちこたえた寿樹。
「おまえには 暇を出したはずだ。」
「家に帰っても 誰も居ないんだよ。僕が コロナ感染者のゴミ出し手伝ってるのを嫌って まゆりに合わせてくれないし。」
「まだ 2歳だものな…。」
寿樹が 考えて手を止めた。
健太が キラキラ目を輝かせて 見つめる。
「お前の 好きにするがいい。」
「え!!結婚してくれるの?」
「バカか!ここに泊めてやるまでだ。」
外は湿度の高さが勝って ちっとも涼しくない。
むしろ 蒸し暑さと 息苦しさを感じる7月だった。
「中学の時、僕らのしてた事 やっぱり 普通じゃなかったんだね。」
健太がおもむろに口を開いた。
「何の事だ。」
冷たく答える。
「弦賀さんに 聞いたよ。寿樹の卵巣が作られるきっかけの一つだって。」
寿樹が 凄い形相になった。
「話したのか!」
寿樹は立ち上がって、斎服を持った。
「僕の事 好きなんだと 勘違いしたんだ。 僕の都合のいいように 解釈したかもしれない。あの時から 君の事 好きだったから。」
健太の言葉 虚しく
寿樹は なにも言わず、斎服を持って 部屋を出た。
後を ついて行く健太の前で ピシッと障子を閉めた。
「ごめん…、二人の秘密 喋っちゃったね。寿樹が 許嫁の人と結婚するのが 本当に好きな人なのかなって 心配になって……。」
障子の前で 立ち尽くす健太。
返事は むろん 返って来ない。
後ろから 頭をクシャクシャとされた。
「ごはん 出来たぞ。」
鬼空が やって来て健太の頭を撫でた。
「あ、ありがとう。」
「健太の分 用意したから 向こういってろ。」
健太がローカを歩くと
障子を開けて 入って行く鬼空の姿が見えた。
「健太の人生に 責任取るのは 寿樹の方だぞ!」
「鬼空の 知るところではない。」
二人は 珍しくケンカした。
健太には 話の内容は 届かなかった。




