それで勘違いを謝りに…
2020/07/04
真正家の屋敷に
息を切らして 駆けつけた健太に……寿樹は……
「それで私を心配しに来たという訳か…」
「たまたま雨で弦賀さんと足止めになっていたけれど、あの話がなかったら僕は永遠に君の事を知らなかったよ。」
寿樹は深くため息をついた。
「弦賀もバカだなぁ…」
「僕、知らなくてごめん。寿樹が学ラン着て登校してたのに、寿樹の裸を見てしまった時からずっと女の子だと思って疑わなかった。寿樹は男の子として友達でいたかったんだよね?僕は勘違いしてずっと迷惑をかけていたんだね。寿樹は僕と友達でいたかったのに、君を困らせていたんだね。ずっと苦しめていて、ごめん、ごめんなさい。」
健太が 頭を下げて 謝る。
「あやまるな健太。私は健太の思っているような良い人ではない。」
「僕にとってはいい人だったよ。手を握ったり抱きしめたりその後も…僕を幸福にさせてくれた。でも、それが君をずっと困惑させたと思うと…大変申し訳ない……。」
再度、頭を下げる、今度は 上がってこない。
「どこまで おまえはいい人をするんだ!!私は健太の恋心をずっと利用してきたのだぞ、私が健太を騙して来たんだ!それがわからないのか!?」
「わからないよ! 僕を利用する必要があったって事でしょう? ……僕は 何に 利用されたの?」
「健太と度々交わっていたのは、女性の身体を保つためだ。」
「寿樹は男性になるんじゃなくて、女性になりたかったの?」
「父親から 私には許嫁が居ると言われた。」
「相手の人は男性なの?」
「あぁ。 私は興味がない話だったが、母親が離婚する条件の一つになっていたと知って…」
「そんなの、勝手な話だ。」
「健太は知らないだろうが、ウチの家系は代々近親相関なのだよ。」
「噂で、聞いてたけど。本当だったんだ。」
「逃れられない 運命って あると言ったろう。」
あの禊のとき 捨てられた針金の間から生える草木を指して 人間の運命を懸命に説いてたのは アレは寿樹の事だったんだ と知った。
「それで、頑なに 僕とは結婚できないって 言ってくれてたんだ。」
「そればかりじゃない、望と結婚させたのも 私だ…すまない。」
健太は松下望と偶然を予想わされて 二人で飲みに行き。その延長戦で関係をもったとされ。実際、望が妊娠したように見せかけて 結婚式を挙げたという。これは 一人では出来ない 寿樹の父親 真上様の権力が働いたと健太は思った。
健太は寿樹をキッと見つめた。
「寿樹が何をしようと 僕が君を好きな事に変わりはないさ。」
健太は寿樹に詰め寄った。
「僕がいらないなら、僕を殺して!!君のために何度も身を引こうとした、でも駄目だった。何度も何度も失敗した。きっとこの先も君を離さない。君が他の誰かを好きでも僕は・・君のそばから離れられないんだ。」
気がついたら 寿樹を抱きしめていた。
「ごめん、また困らせた。」
寿樹は健太にそっと 手を添えた。
「健太を殺しやしないよ」




