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健太の日記  作者: 蔓草登上
31/111

止んだ雨 止まない話

挿絵(By みてみん)

2020/06/19





「なんだ?」

「何も・・・ないよ。」


外は雨で ドシャブリだ。

寿樹は 雨宿りで 足を止めていた。


健太は いつもより 早い帰宅のせいで 真正家の屋敷にお邪魔しに来た。


「今日は お前の 期待するような事は何もないぞ。」

「知ってるよ。 期待して 来ているんじゃない、好きで 来てるだけだから。」


寿樹と ジッと 雨宿りをしている。

こんな 時間が 長く続くといいな と思いながら。


君を そっと しておきたかった。

静かに 見守って おきたかった。

だから 逃げないで そこに 居て欲しい。

僕の チョウチョ・・・


「出ない方が いいよ!

外は ドシャブリだから 出ないで ここに居た方が いい。」

寿樹は 健太の 上から下までを眺める。

駐車場から 歩いてきただけで びっしょ濡れになっている。

「見たら わかるよ」

サラリと言われて しまった。


「良かった、今日は早く上がってこられて、寿樹を一人ぼっちに させるところだったね。」

「おまえじゃ つまらないよ。」

がーん!

そうだ、 僕は寿樹を 黙って見つめていて それだけで 目の保養になるかもしれないが、寿樹にとって こんな 僕を見ていても つまらないのは当然だ。

「なにか しようか?手品とか 漫才とか 出来たらいいのだけれど・・・」

こんな時に限って 何もネタとなる話も 用意してこなかった。


僕の頭の中には、寿樹からヒマを貰って 家に帰っている事実が すごく 不満で渦巻いていたからだ。


君はいいな・・・見ているだけで 美しい。まるで蝶か花のように可憐で価値がある。

「寿樹は 何が 好きかな?」

「なにが 出来るんだ?」

「エット―・・・」

蟻の行列数えてみたり・・・いやいや つまらない。

雨が降ってる中 クンクンニオイを嗅いでみる それも全然面白くない。

僕って こんなに 面白くない男だったなんて。

自分で自分を絶望した。

「気の利いたことは事は 出来ないよ。こうして君と一緒に時を過ごせたら、きっと何億光年たっても君を見つめ続ける事に 決して飽きる事はない気がするんだ。

身体の分子が そう語ってるように思うんだ。

だって 君といて すごく安定するから もしかしたら 何億光年も前から 一緒に居たかのように。」

「ロマンチストだな」

「いい意味なら いいのだけど。」

「健太は 私の好みでもないし 毎度々のうんちくが うざいし飽きた でも、 どこかしっくりいくところは有る。」

ズバリ いうな。

「あ、それは どうも。」

「宇宙のはじまりに 行ってみたい。」

「弦賀さんなら 詳しそうだけど。僕の頭ではおいつかないよ。」

「宇宙論なんて 余分な知識は 邪魔になる。健太の素朴な アイディアがいいのだ。」

二人は 宇宙論を語って 雨宿りをしていたが

雨が止んでいても 宇宙論は 止まなかった。



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