愛ってなんだっけ?
2020/06/01
「ねぇ 愛って なんだっけ?」
健太が おもむろに 口を開いた。
その場にいた 鬼空が 同じように ゆったりと 口を開く。
「愛は・・・愛だろう。広くて 深い お母さんみたいな イメージだ。」
「僕の 寿樹への愛って 愛だと思う?」
少し、考えた。
「・・・うん。愛だと思う。愛がなきゃ ここまで乗り越えて来ないだろう?健太の場合。」
「そうか。 ・・好きだけじゃないってことだね。」
鬼空が 健太を見る。
「なんかあったか?」
「好きは いつから 愛に変わるんだろう。それって 相手の同意も必要だと思う?」
「うーん。・・・健太の方から 愛は作られたと思うね。この場合 同意は必要ないと思うな。」
「寿樹がね・・・僕への愛は無いって言うんだ。」
泣きそうに語る健太に ゲゲっまた来たか!!と身構える。
「おまえ いつも寿樹の言葉に ショック受けすぎだゾ! 真に受けるな。愛はあるよ。」
とりあえず 口から ポロリと出てしまった。
「え!?」
健太の目が 輝いた。
「健太が作り出した愛があるじゃないか!
その愛で 寿樹が変わるかもしれないし、寿樹は今 御師の身だから 誰とも婚約はできないのだから チャンスは0%じゃないだろう?」
何とか うまく まとまったと思う鬼空。
「僕が 愛してると言って 相手に半分伝わったら いい方だよね。
愛に 質ってあるのかなぁ」
「なんだ そりゃ・・」
愛の質を高めて 寿樹にトライするとか 何とか 言いそうだな こりゃ。
愛の質 問題が 今度は降りかかって 来そうだから この場は 退散するか・・・。
鬼空が ソファーから起き出す。
「ねぇこの曲知ってる?」
健太は スマホで 暎人の『香水』を聞かせた。
「知らんな。」
「じゃ、この曲も好きなんだ。」
髭男の『Pretender』。
「あ、知ってる。…って内容 お前のことかよ!」
「だよね。」
二人の 楽しそうにしている 姿を 寿樹は 後ろで見ていた。




