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健太の日記  作者: 蔓草登上
28/111

うたがい

2020/05/24



挿絵(By みてみん)



健太が真正家の玄関を うろついている。

もう、夜になったいうのに 寿樹は 一体全体何処へ 出掛けてしまったのだろう。

 

 

外には 虫の鳴く声だけが こだまする。



しばらくして 車の音が聞こえた。

足音がこちらへ 近づいて来る。


 袴姿が暗闇から 見えた。

「寿樹?」

「ただいま」

「ただいまじゃないよ 弦賀さんも連れていかないし 一人で車出すなら 僕が運転するから・・」

 

「待ってなくて 良いぞ。」

「心配するだろ」

寿樹はツカツカと玄関を上がって行く。

 

健太がすり抜ける寿樹の首筋で スンスンと練り香りがするか 確かめる。

「なんだ?」

「寿樹が 浮気してないか 確かめた。」

寿樹がシャワーや滝行をすると 練り香りはニオイがしなくなるからだ。

自分の時に 立証済だから よくわかるのだ。


「匂いがしない。」

「今日は 汗をかいたんだから やめてくれ。」


「お風呂 今すぐ入れます。衣類も準備してあります。どうぞ」

健太が 風呂場を誘導する。

脱衣所に入って 袴の紐をほどくと 後ろでそれを手伝おうとする健太に気が付く。


「袴は 脱ぐときに 手伝いは いらん。」

「これは 好意ですよ。」

「出ていけ」

「いやです。どこに行かれてたんですか?」

先ほどから 妙な敬語が気に食わない 寿樹。


「側近として 聞く義務があります。」

「妙な 入れ知恵つけおって」


寿樹は 袴を降ろして 白衣の紐を解いた。


「今日は 担東村のお屋敷に 急遽依頼があって 予定を立てに行ったまでだ。気が済むように したらいい。」

寿樹が 下着まで外そうとするから 急に恥ずかしくなった健太は 目を背けた。



「今度は 側近に報告してから 出掛けてくださいね。」

風呂場の 引き戸から 出て 思い出し止まった。

「あっ!今日は いい天気だったから 寿樹のお布団も 干しといたからね。」

「ありがとう。」

後ろから 聞こえる。




 担東村?聞いたことないな どこの村だろう。

部屋へ 戻って帳簿を見てみると 名前があった。

大富豪の 屋敷である。



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