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健太の日記  作者: 蔓草登上
27/111

肩のシャクトリ

2020/05/18

―肩のしゃくとり―





 雨だった。

寿樹は雨の中、脇にあるほこらを巡る。

僕は傘を持って寿樹の行先を差して廻る。


 一通り祈祷が終わると、本殿へ向かう。

僕は己の傘の水滴をきって掛ける。

寿樹を中心に 傘をさしているので 気が付くと自分がずぶ濡れであった

濡れた服をタオルでふき取っていると、階段上部から凛とした姿で寿樹が降りて来る。

一段一段 気品があって神々しい 思わず見とれていると


「雨の中ご苦労だった。」

ねぎらいの言葉を掛けてくれた。

業務的なあいさつではあったが、健太にとっては嬉しかった。

寿樹に言われる事は 健太にとって何よりも価値があったからだ。

 

 

 話は昔に戻るが、寿樹を中学時代から尊敬している健太。

健太は母親を早くから亡くし、連れ添うように二人はお互いを助け合ってきたのだ。

そのおかげもあってか、二人とも中学時代は 曲がる事なく進路を歩んで来れた。

 

 それから健太は寿樹に恋し、愛するまでになった。

健太は結婚を迫るが、どうしたものか一向に良い返事をしない。

健太は自分に足りないものは何か、寿樹の側近になって仕事をした。

 正式な場合、神職には権宮司ごんぐうじという位置にあたるが、健太にも弦賀にも神職の資格はない。それで、御師おんしの側近で通っているが、元々の真正家が宗教法人であった事がそこで伺える。


 雨が警戒レベル3を示した。

弦賀が「がけ崩れがあるかもしれないから、部屋で過ごして下さい。」と言った。


部屋で過ごすことになった僕と寿樹は二人顔を合わせる。


寿樹がじっと僕を見たのでドキッとする。


寿樹は僕の右肩の方を見ると

「肩にシャクトリ付けているのか?」と聞かれる。

「あっ」

まぁまぁ大きなサイズのシャクトリ虫が木に成り済まして僕の肩にくっついていた。


慌ててシャクトリ虫を外へ払い落そうと試みたが止めた。

「雨の中おまえも可哀そうだな、どうだ僕の肩より寿樹の家の方が同じ色で過ごしやすいぞ。」

と言って縁側の縁に落した。


「踏まれてしまうぞ」

寿樹に言われる。

「じゃあ、踏まれないようにここで見守ってる。」

健太が言った。


寿樹は自分に無いものを健太は持っているなぁと思って立ち去る。

健太は、シャクトリを ずっと 見守る。


挿絵(By みてみん)


 室内で 祈祷している寿樹を見て うっとり見とれる健太。

ロウソクの灯が 揺れると より一層 雰囲気をかもち出している。


寿樹が美しい 何度見ても 飽きない きっと 知的 な部分が より一層君を輝かせるんだ。


寿樹が こっちを見た。

「健太・・」


均等のいい その唇で キスされたい。

「健太。」

いいですよ。

心の準備は 出来てます。


「うるさい。少し黙っててくれないか?」

「は?僕の心の声 もれてました?」

「ヒマなのは わかるが 集中できん。」


健太は 後ろから 寿樹を抱きしめた。

「今日は こんな雨だし 誰も来ないし 出ないし たまには ユックリしたらどーなんです?僕もこの天気だと洗濯もできないし お昼ご飯の準備まで ちょっとの間なんだから。」

寿樹が 神の間で誰も 入れないのを良い事に 健太が大胆な 行動にでる。


寿樹は 黙って スクッと立ち上がると そのまま部屋をでていってしまった。

「あ、ごめん!寿樹。」

「健太!いくら側近になったとはいえ 私とイチャイチャする時間が増えるわけではないからな。」

言い捨てて 出て行ってしまった。


あちゃー


寿樹のお屋敷は ローカ続きである。

ガラスがある所はいいが、屋根だけだと 雨の時に 濡れる。

ローカの風化も 早い。

冬は 寒い。

全て ガラスになってしまえば 室内も暖まるのになぁ


そうだ

予算を見て見よう。

側近になってから 会計もするようになったので 必要なところに お金を持って行こうと考えた。

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