寿樹の髪を乾かしたい
2020/05/09
神社は祈禱料で経営を賄っている。
山間部などは経営が立ちいかず、他の神社に管理を任せて廃業しているところも多い。
真正家の神社は 大きいせいか その廃業した神社も 受け持っているので 出張も多いという。
氏子・崇敬者と言われる村の人は 神社の大事な支援者で、自身の安寧と寄付で神社を支えます。
しかし、真正家の所は 江戸時代のお偉い処が 農民を味方につけようと 信仰心の熱い 神社に寄付をして自分の名を残しました。
それから時は過ぎ 戦いも無くなって氏子や崇敬者も少なくなってきました。 真正家は 国の安寧を支えることにより 逆に神社を守ってもらえるようになったのです。
それが 今の寿樹がやっている 高きところにたった者への応援。
口には 出せない お偉い方さんを支える役目になっている。
何をしているって? エールを送っているんです。ガンバレーって。
それ以上の深いところは 僕はまだ 知りません。
これは 誰がそのポジションになろうと 寿樹は 人を選べないし、拒否も出来ない。
代々の お仕事なのである。
神社の仕事だけじゃ なかったんだ!と知ったのは つい最近の事。
「寿樹 偉いね。」
風呂上がりの 寿樹の髪をドライヤーで乾かす健太。
「何がだ?」
「寿樹は スマホ見てていいよ。忙しいでしょ。」
健太が やけに優しくて 気持ち悪いと 思っている寿樹。
ソファーへ座らされて スマホのチェックを始める。
その間 髪がよく湿っているのを確認した健太は これなら長い時間かかるねと一人嬉しがる。
しばらくすると 健太がテレビのチャンネルを ポチっと変える。
丁度 一昨日来ていた 政党の一人が生出演していた。
「おまえ これが見せたかったのか?」
寿樹が 煙たそうに言う。
「僕は 寿樹のアシスタントになる。」
「・・・」
どーでもいいって 素振りだ。
でも いいんだ。
こうやって 寿樹の顔が近くに見れるし。
髪結いしていない 寿樹の顔をあまり マジマジと見ることがない。
近くで 見ると やはり、 女の子だよなぁ
二人が一緒に居るときは 区別がつくけど 一人ずつになると なんでわかんない時あるのかな?
寿樹の瞳を 本当は焦げ茶色なんだと分かるまで 見入る健太に なんの悪意もない。
寿樹の仕事内容に 尊敬を込めて 乾かしている。




