鬼空と寿樹の違い
憲法記念日の振り替え休日
朝から 起きなくちゃいけないのに どうしたんだろう。
起きられない 頭がズキズキガンガンする。
起きようとすると フニャーとまた布団にうなだれる。
カレンダーは赤い日になっていた。
「振替休日って なんの日の?」
「憲法記念日が日曜に当たっていたからだろう?」
健太が目を擦って、袴姿の寿樹を見直した。
「あれ?袴を着てるから 寿樹だと思ったら・・」
喋り方で分かった。
鬼空だ。
「お前 なんだ 二日酔いか?」
「うん、二人とも お酒 強いね。」
「健太が 弱すぎるんだろう?」
「今日は、アルバイトが来る日だから、お前は寝てろ。」
鬼空に言われて 寝ているが 何故に鬼空が礼装でいたのだろう?
「なんでその恰好?」
「今日は 祭日で 祈祷が入っているから 着替えろと言われたからだ。」
フーンと納得して 眠りにつく。
昨晩は あんなに飲んだのに 二人とも 仕事に出て 偉いな・・・と考えながら。
目が覚めると お昼位になっていただろうか
あのガンガンする頭痛が治まって 調子が良くなっていた。
トイレに行こうと 起きると
柱につかまり どう見ても 苦しそうにしている鬼空の姿があるではないか!
慌てて 駆け寄って 鬼空を支えようとする。フニャっと柔らかいものに触れた気がした。
なんで 柔らかいんだ?と考える間もなく「大丈夫だ。あっちへ行け!」と振り払われた。
寿樹だった。
しまった!今日は鬼空が袴姿でいたから 間違っってしまった。
「ご、ごめん!」
目をこすって また 見直す。
まぎれもなく寿樹だった。
寿樹の部屋は健太の部屋から 近い所にある。
寿樹の部屋へ先回りして 布団を敷いた。
「さ、横になって。」
寿樹に布団をかける。
「鬼空に代わりを頼まなくちゃ・・」
「もう、替わってもらっている、今日は朝から体調が悪くてな。」
それで、鬼空が袴でいたのか。
「でも、寿樹。限界まで我慢してちゃダメだよ。ここの所、会議でいろんな所へ出向いてたし、疲労が溜まったんだよ。」
寿樹の指先が冷たくなっているのに気が付いて 温めようとすると パッと布団の中へしまわれた。
「おまえも 具合が悪いのだろう。」
「大した事じゃないよ 二日酔いなだけだから。」
ニコニコっと笑って見せる。
目を反らす 寿樹。
「あとの事は、任せて ゆっくり睡眠取って 早く元気になってね。」
「いつも 健太に頼って 悪いな。」
透き通るような寿樹の声で言われると とても 気持ちが良かった。
いつも 僕を避けるようにするけど 自分で出来る事はする キッチリ線を引く姿だと 僕は思っている。
「何かして欲しい事があったら ギリギリまで待たないで言ってね。僕の部屋すぐそこだから。」
そう言って部屋を出ていく健太。
この双子の為になる事が 僕の仕事だ。
これこそが 天職なんだと 思う健太であった。
夕方 6:30を過ぎても 夕日は沈まなかった。
夕方のニュース番組を見る頃には みんな元気に揃っていた。
「あれ?寿樹テレビに映ってる!」
どうりで このところ出掛けていないはずだ。
「あ、今度は今日の祈祷している姿が映ってる!これは鬼空だ!」
今日のお客様は テレビ局の人だったんだと気が付く健太。
「健太は ちょうど二日酔で寝てたな」
まぁ、どうあがいても あの時は 出ていけなかった。
「私も寝ていた一人だ、突然すまんな鬼空。」
と寿樹が鬼空に謝る。
「いつでも替われるが、まさかのテレビ取材の日とは思わなくて、一昨晩、健太に髪を似せてもらっていたから助かったよ。」
「あ・・」
あの鬼空の前髪をカットした事だ。
「niceタイミング健太」
発音がいい鬼空の英語が アメリカに行っていた事を思い出させる。
「いやいやいや、二人とも 他人からしたら 見分けつかないって。」
そう、触らないと わからないかも と自分も 鬼空と寿樹を見間違ったことを 思い出して 鬼空に胸はないけど寿樹には胸があるんだと 知る健太。
わかりずらいのですが、寿樹と鬼空はDSD疾患で 性が欠損している状態で完全体ではありません。
その詳細は 健太もまだ知らないので 日記にも記されていません。
健太と一緒に 知りたい方は この先は 読まないで下さいませ。
知りたい あなたは 鬼空タイプです。
寿樹と鬼空は双子のDSD疾患です。
二人とも外見は女の子で産まれてきます。
でも違う所は 染色体の数が男の子ってことで、これから成長していく過程で精巣が作られてしまいます 二人とも。
こわいですね 染色体って 遺伝子ですから。
でも、寿樹は健太と出会う事で、自分は女の子だよっと健太に言われ 考え方を変えます。
身体は 急激に女の子へと 変化を遂げて この時期に卵巣が作り出されたのが寿樹。
もちろん、精巣は消えて、完璧な女性になろうとしていたのです。
健太が 寿樹に胸があるなんて 知ったのは 本当に今の話。




