健太の書くあらすじ
「いくら並ばれてもここから先は霊山となっているのでカメラは入れない。」
「コロナ患者は入ってますよね?」
「あなた方はコロナ患者ではない。」
「外からでいいんで、宿坊の様子をテレビに流させてもらえないですかね。」
「それは無理だと言いました。今は緊急事態なんです。業務に着きたいので失礼する。」
鬼空はきびすを返した。
本当は真正家の真相を突き止めたいマスコミ人達なのだが、鬼空はそんなの一目見ただけでわかると言わんばかりに厳しく断っていた。
鬼空が留守番すると、こんなに冷たくあしらわれているなんて寿樹と弦賀さんは知っているのだろうか?
それはおいといて、今日は時間もあるので、ゆっくり日記でもつけようと思う。
僕の部屋に机は無いのと、作業場にある長机は寒いのでエアコンのある寿樹の部屋で日記をつける。
僕の父親は真正家を宗教一家と呼んでいる。
でも実際は、鳥居もある立派な神社で、違うのは国家と結びつきが強く秘密や隠される要素が多い。
寿樹は御師となっている間は結婚できない。
普通の神主さんは結婚も出来るのだけれど、御師は結婚をしない。カリスマ的存在にするため結婚はしないんじゃないかなって僕は思う。
鬼空は御師になるのを嫌ってアメリカへ逃げたし。今はコロナで戻って来たけど、あのやる気のなさでは僕も御師を進められない。
僕の妻と子供はコロナで皆、実家へ帰省している。
妻は松下望。僕の1つ下の同じ高校にいた女の子だ。
久々に再開した時お酒を飲み過ぎて望ちゃんに看病してもらったのがきっかけで付き合っていたが、大変失礼な事に、記憶の無いうちに望は身籠っていた。
望の身体に赤ちゃんが確認されると、真正家の神社で神前式がトントン拍子で行われる。
不思議だった。僕はイエスと言った覚えはないのに準備があまりにも整い過ぎる。
まるで、みんなが暗黙の了解で僕と望みをくつけようとしてるかのように。
僕が寿樹と結婚したいと話を持ち掛けた時、寿樹にあっさり断られたけど、噂を聞きつけたお父さんが激怒した。
その時の寿樹の父親の言葉が思い出された。
「どこの馬の骨かわからん奴と結婚させるかぁ」あの勢いで大きな声量と共に頭上から言われたら正直ビビる。
寿樹のお父さんは真上様と呼ばれて、かなりの権力者なところから、どこで誰をうまくコントロールしているか分からない。
義務教育は5月末まで休校とか9月始まりとか騒がれている中。僕は仕事が旅行関係であったのもあり、どこかで誰かが見ているのか?ちょうど寿樹からお仕事のお声がかかって、再び真正家でアルバイトをする事になったなのだ。
こうして見てみると、僕の人生誰かに操られてる感たっぷりだな。
コロナが落ち着いたら、本格的仕事を探そう。
コロナが落ち着いたら、妻と子供で家に戻ろうと、この時はまだコロナの恐ろしさを感じていなかった。
いつか、落ち着いたらって思っていたからだ。




