コロナで延期って大変なんだ
世間はコロナだと騒がれている中でも、恒例行事はやるかやらないか危ぶまれる中。
行事練習に来た村の人達は、「どーすんだい?」と各々に聞きに来た。
寿樹はみんなを集めて、これからの方向性を固めた。
そして、明日から2週間は自粛。その後の事は2週間後にまた発表する。
として、みんなはガヤガヤ帰って行った。
このところ弦賀さんと姿を消して居なかったのは、行事変更を他の神職さんと連携を取って取り決めていたからだ。人々の安全をとるって大変なことなんだなっと頭が下がる。
「今日は1日かかると思って、お弁当まで用意してきたってのに・・午後ガラ空きだ」と言って帰る村人に「すいません。みなさんの健康が大事ですので。」と言って見送ると。
ポンと健太の肩を叩かれ「「あんた偉いねーまだ若いのに。村の人はみんな待ってたからねこの年中行事。急に無くなったりしたらみんな困るんよ。」
僕がアルバイトの子に見えたかな?
そんな威勢のいいおばちゃんが僕を励ましてくれた。
「御師様と歳は変わらないのですが。」
寿樹は説法を説いたり法話もして、人々に親しまれているのに、どうして僕だけは子供扱いなんだろう。真剣に童顔が嫌になって来る。
高い所から人の動きを眺めていた寿樹に近づくと
僕の気配に気づいて寿樹が言った。
「これで人が来なくなるな。」
「寿樹との時間が増える。」
「何か言ったか?」
「ううん、まだ声にも出してないよ。」
「おかしいな、その声が聞こえたんだがな。」
「へへへ。」
「このあとは、我々もゆっくりとした時間を過ごす事になる。」
弦賀さんもやって来た。
「東京の新たな感染者数です。」
弦賀さんがスマホからの情報を見せる。
「鈍くなってきたのか?」
寿樹がスマホを見る。
「これで、宿坊も落ち着いたらいいのですが。」
「まだ満杯ではないのだろう?」
「ギリギリでした。これ以上となると我々だけで宿坊の消毒やゴミ捨て、弁当の提供も難しくなってきます。」
「防護服が無いからね、作業する人に制限がかかる。僕なんかゴミ袋かぶってゴミ捨てしているよ。」
「ゴミがゴミ回収してんのか?笑える姿だな健太。」
後ろから鬼空の声がした。
「ふざけるなよ。こっちは真剣に話してるのに。」
寿樹と弦賀さんで会話をしてしまっている。
「国からの支給は頼めないのか?」
「今はまだ、医療関係に消化されてますね。」
「こっちも医療従事者だって言ってやれ。」
「そうなんですけどね。」
僕たちは無視されてる。
寿樹と弦賀さんだけで会話が繋がっている。
「鬼空のせいでまた仲間に入れてもらえないじゃないか。」
「いいじゃんか!二人にやらせておけば。」
本当は寿樹と弦賀さんみたいな会話がしたい。
一緒になって運営の話をしていきたい。
なのに、鬼空ときたらいつも僕を遊びの方向へ連れて行こうとする。
「弦賀に取られたって顔してるな。」
鬼空が悪そうにニヤついた。
「してないやい。」
「さて、本格的にヒマになるな。何して過ごそうか。」
「鬼空は毎日ヒマしてるくせに・・」
「失礼だな、こうして毎日健太の子守りをしているではないか。」
「僕を子守りしてると本気で思っているの?」
「やろうってのか?」
「受けてたとう!」
パンパンっと手を叩く音がして寿樹が言った。
「ローカでケンカするのは止めてくれ。これからZOOM使うから静かにしていて欲しい。」
と言って資料を持ってパソコンの部屋へ行く寿樹。
そのあとを追って更に大量の資料を運ぶ弦賀。
あんなに仕事があるんだ。
青ざめて見送る僕と鬼空。
「足手まといだけにはならない様にしよう。」
「うん、そうしよう。」
と確認し合う。




