偽りの盗賊と、暗闇の先の光
冷たい地下牢の石畳に突っ伏したまま、どれだけの時間が過ぎたのだろうか。
鉄格子の外から聞こえてきたのは、微かな夜明けを告げる鐘の音ではなく、乱暴な複数の足音と、金属の擦れる冷酷な響きだった。
「立て、罪人。お前の移動が決まった」
ガチャリと鍵が開けられ、二人の屈強な王宮近衛騎士が牢の中へ踏み込んできた。彼らは有無を言わさず私の両脇を抱え上げると、まるでボロ布でも扱うかのように乱暴に引きずり起こした。手首に食い込んだままの枷が悲鳴を上げ、鋭い痛みが腕から肩へと走るが、彼らは私の苦痛など一顧だにしない。
「移動……? 判決は明日ではなかったのですか……!」
乾ききった喉からどうにか声を絞り出すと、騎士の一人が鼻で嗤った。その顔には、隠しきれない嘲笑と哀れみが浮かんでいた。
「ああ、表向きはな。だが、お前のような大罪人を王都のど真ん中で処刑すれば、民衆に余計な動揺を与える。お前はこれから、国境沿いの流刑地へと護送されることになった」
「流刑地……?」
「そうだ。……もっとも、お前がそこへ生きて辿り着くことはないがな」
騎士の口元が、三日月のように歪んだ。
その言葉の裏にある凄惨な意味を理解し、私は全身の血の気が引くのを感じた。
「護送の途中、運悪く『凶悪な野盗の群れ』に襲われるんだよ。護衛の我々も必死に応戦するが、多勢に無勢。哀れな反逆者の男爵令嬢は、賊の手によって無残に殺される。……これで帳尻が合う。第二王子殿下も、カイゼル様も、お前の死体という確実な『安心』を求めておいでだからな」
「っ……貴様ら……!!」
怒りで視界が赤く染まった。
両親を殺し、領民を搾取し、私を陥れただけでは飽き足らず、裁判という最低限の法の裁きすら省略し、野盗の仕業に見せかけて暗殺しようというのだ。どこまで腐りきっているのか。どこまで私を、アシュクロフトを愚弄すれば気が済むのか。
「さあ、歩け! 冥途の旅の始まりだ!」
背中を強く蹴り飛ばされ、私は暗く長い階段を無理やり登らされた。
王宮の裏門に用意されていたのは、窓が鉄格子で塞がれた、粗末で頑丈な護送用の馬車だった。御者台には外套を深く被った男が座り、周囲には先ほどの二人を含む数名の騎士が馬に乗って待機している。
「乗れ!」
背中を突き飛ばされ、私は馬車の中に転がり込んだ。外から重い扉が閉められ、幾重にも鍵が掛けられる音が響く。直後、容赦のない鞭の音と共に、馬車が大きく揺れて走り出した。
窓のない薄暗い馬車の中で、私は板張りの床に身を丸めながら、歯を食いしばった。
(殺される……。このまま何処かの山中で、彼らが雇った偽の野盗に殺され、ただの野垂れ死にとして処理されてしまう……!)
手首の枷を外そうと必死にもがいたが、分厚い鉄の塊は私の細い腕を傷つけるだけで、びくともしない。馬車は王都の石畳を抜け、やがて舗装されていない荒い街道へと入ったようで、車体は大きく上下に揺れ、その度に私の体は容赦なく壁や床に打ち付けられた。
絶望が、再び黒い波となって私を飲み込もうとする。
カイゼルの冷たい笑顔が脳裏を過る。グレイド第二王子の名が、呪いのように耳の奥で響く。
(嫌だ……! こんなところで、あいつらの思い通りに死んでたまるものか! 私が死ねば、両親の無念は誰が晴らすの? アシュクロフトの領民たちは、永遠にあの悪魔たちの奴隷にされてしまう!)
瞳の奥から、熱い涙が溢れ出した。だがそれは、悲しみの涙ではない。純粋な怒りと、燃え盛るような復讐心の結晶だった。
どんな惨めな姿になろうとも、泥水を啜ってでも生き延びてみせる。そう心に誓い、私は揺れる馬車の中で、僅かな脱出の糸口を探して必死に周囲を観察した。
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それから何時間走っただろうか。
窓の隙間から差し込む光の角度からして、すでに太陽は中天を過ぎ、夕刻に近づいているようだった。周囲からは人々のざわめきも消え、聞こえるのは馬の蹄の音と、車輪が轍を軋ませる音、そして時折聞こえる鳥の鳴き声だけ。鬱蒼とした森の中の街道を走っていることが予想できた。
(そろそろ……来るかもしれない)
暗殺の舞台としては絶好の場所だ。私は身を固くし、迫り来る死の恐怖と戦いながら、その時に備えた。
そして、その瞬間は唐突に訪れた。
――ヒヒィィィンッ!!
前方を走っていた馬が、恐怖に満ちた嘶きを上げた。
同時に、「ドスッ」という重い音が響き、御者台から何かが転げ落ちる音がした。馬車が急ブレーキをかけ、慣性の法則で私の体は前方の壁に激しく打ち付けられた。
「な、なんだ!? 貴様ら、何者だ!」
「ひぃっ、矢だ! 囲まれてるぞ!!」
「馬鹿な、手筈と違う! お前らはバルター伯爵が手配した賊では……ぎゃあっ!!」
外から聞こえてきたのは、近衛騎士たちの焦燥に満ちた怒声と、直後に響く生々しい断末魔の悲鳴だった。
私は息を呑み、壁に耳を押し当てた。
「手筈と違う」?
騎士のその言葉が意味するものは一つだ。今、馬車を襲撃している者たちは、カイゼルたちが私を暗殺するために雇った『偽の野盗』ではない。全く別の、本物の襲撃者だということだ。
(本物の賊……? いや、それにしても……)
違和感があった。
外の戦闘音は、あまりにも一方的で、そして『静か』だったのだ。
通常、野盗の襲撃といえば、威嚇のための雄叫びや下品な罵声が飛び交うものだ。しかし、襲撃者たちからは一切の声が聞こえない。聞こえるのは、鋭い風切り音、肉を断つ鈍い音、そして騎士たちが次々と倒れていく絶望的な悲鳴だけ。
まるで、訓練された暗殺者の集団が、音もなく獲物を狩っているかのような……。
「……終わったか」
「ああ。周囲の制圧完了。生存者なし」
低く、感情の読めない声が聞こえた。
戦闘はものの数分で終わってしまった。あの屈強な王宮近衛騎士たちが、赤子のように捻り潰されたのだ。
そして、私の乗る馬車の扉に、重い足音が近づいてくる。
ガチャガチャと、鍵を破壊する音が響く。
(殺される……!)
私は身をすくめ、床に転がっていた木片を力任せに握りしめた。無力な抵抗だと分かっていても、ただ黙って殺されるつもりはなかった。
ギギィィッ、と重い扉が開け放たれ、夕暮れの赤い光と共に、一人の男が馬車の中を覗き込んだ。
ボロボロの薄汚れた外套を身に纏い、顔の半分を粗末な布で覆った大男。手には、まだ真新しい血が滴る長剣を握りしめている。その出立ちは確かに「野盗」そのものだった。
だが、男の目は違った。野獣のような飢えや、金品を狙う卑しい欲の色がない。氷のように冷たく、理知的な光を宿した瞳が、私を射抜いていた。
「……セルリア・ヴァン・アシュクロフトだな」
男が低く尋ねた瞬間。
私は持っていた木片を男の顔面に向けて全力で投げつけ、彼が僅かに身を躱した隙を突いて、馬車の入り口から外へと勢いよく飛び出した。
「なっ……!」
男の驚いた声が背後で聞こえる。私は地面を転がり、ドレスの裾が泥にまみれるのも構わず、ただ一心不乱に、街道の脇に広がる鬱蒼とした暗い森の中へと走り出した。
背後には、近衛騎士たちの無残な死体が転がっていた。彼らを一瞬で皆殺しにした集団だ。捕まれば確実に命はない。
「待て! 追え!」
背後から追っ手の足音が響く。
私は木の根に躓き、顔や腕を鋭い枝で切り裂きながらも、決して足を止めなかった。肺が焼け付くように痛い。繋がれた両手のせいでバランスが取れず、何度も泥濘に足を取られる。
(生きるんだ……生きて、あいつらに復讐を……!)
しかし、令嬢として育ち、地下牢で体力を削り取られていた私の逃走劇は、あまりにも短く、あっけないものだった。
「そこまでだ、令嬢」
頭上から降ってきたような声にハッとした瞬間、目の前の大樹の陰から、音もなく別の男が姿を現した。
私が悲鳴を上げる間もなく、男は信じられないほどの身のこなしで私の背後に回り込み、繋がれた両腕を背中側へと軽く捻り上げた。
「あっ……!」
「暴れるな。腕が折れるぞ。我々はお前を殺すつもりはない」
耳元で囁かれた冷静な声。その力強い拘束に、私は完全に身動きが取れなくなってしまった。
直後、馬車の方から追ってきた数名の男たちが追いつき、私をぐるりと取り囲んだ。息を乱している者は一人もいない。森の中を全力で走ってきたというのに、彼らの呼吸は不気味なほど平穏だった。
「……手こずらせてくれたな、男爵令嬢。だが、無事で何よりだ」
最初に馬車の扉を開けた、リーダー格と思われる男がゆっくりと近づいてきた。
「離して! 殺すならひと思いに殺せばいいでしょう! 貴方たちも、どうせカイゼルや第二王子に雇われた刺客なんでしょう!?」
私は半ば錯乱したように叫んだ。
しかし、リーダーの男は私の言葉を否定するように、小さく首を振った。
「我々は貴国のような腐敗した王族の犬ではない。さあ、歩け。ここはまだ安全ではない。長居は無用だ」
男の合図と共に、私を拘束していた男が私の腰に一本の太い縄を巻きつけ、逃げられないようにしっかりと手綱を握った。
有無を言わさず、私は彼らに連行される形で、太陽の光が届かない深い森の奥へと足を踏み入れることになった。
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木々の間を縫うように、暗い森の中をどれくらい歩いただろうか。
周囲は完全に夜の闇に包まれ、木漏れ日の代わりに、雲の切れ間から差し込む青白い月明かりだけが頼りだった。
私は縄で引かれながら、無言で歩き続ける彼らの背中をじっと見つめていた。
不思議な集団だった。彼らは「野盗」の格好をしているにも関わらず、道中、一切の無駄口を叩かなかった。足元の枯れ枝を踏む音さえ極力立てず、流れるような足取りで複雑な獣道を進んでいく。
時折、先頭を歩くリーダーが手で奇妙なサインを出すと、他の者たちが瞬時に散開し、周囲の警戒に当たったり、後方の足跡を消したりする。その動きは、あまりにも洗練されており、まるで一つの巨大な生き物のように統率が取れていた。
(この人たちは、一体……?)
疑問が頭の中を駆け巡る中、ふと、鼻腔を突く強い血の匂いに気がついた。
開けた空間――森の中にある小さな窪地に出た時、私は思わず息を呑み、その場に立ちすくんだ。
月明かりに照らされたその空間には、無数の『死体』が散乱していたのだ。
だが、それは先ほどの近衛騎士たちではない。薄汚れた革鎧を着て、粗末な斧や錆びた剣を握りしめた、むさ苦しい男たちの死体だ。その数は二十を下らないだろう。彼らは皆、急所を一突きにされたり、喉を正確に掻き切られたりして、無残に命を落としていた。
「これ、は……」
震える声で呟いた私に、リーダーの男が振り返り、淡々と言った。
「彼らが、本来お前を襲うはずだった『野盗』の群れだ。バルター伯爵の手の者が、この森を根城にする本物の盗賊団を金で雇っていたらしい。……我々が先回りして、一足先に掃除しておいた」
私は驚愕で目を見開いた。
この統率の取れた集団は、私を暗殺する手筈になっていた本物の野盗たちを、密かに全滅させていたというのか?
そして、野盗に成り代わり、私を乗せた馬車を襲撃した?
「なぜ……どうして、そんなことを……貴方たちは、何者なの?」
私の問いに、男たちは窪地を抜け、さらに奥にある隠された洞窟のような岩肌の前で足を止めた。
そこには、野盗が乗るような痩せた馬ではなく、見事な毛並みをした軍馬が数頭、静かに繋がれていた。
リーダーの男は私に向き直ると、顔を覆っていた粗末な布をゆっくりと引き下ろした。
現れたのは、鋭い鷹のような目つきと、精悍な顔立ちをした、まだ三十代半ばほどの男の顔だった。彼は不潔な外套の留め具を外し、バサリとその場に脱ぎ捨てる。
外套の下から現れたのは、夜の闇よりも深い、漆黒の軍服だった。
無駄のない機能的なデザインでありながら、一目で最高級の素材と仕立てだと分かる代物。そして、その左胸には、銀糸で緻密に刺繍された紋章が輝いていた。
双頭の鷲と、それを取り囲む剣と百合の意匠。
我が国の貴族であれば、いや、大陸に住む者であれば、その紋章を知らない者はいない。
「……帝国の、紋章……?」
私は呆然と呟いた。
我が国と国境を接する、大陸最大の超大国。強大な軍事力と厳格な法のもとに統治される絶対国家、ガルディナ帝国。
その帝国の軍人が、なぜこんな辺境の森に?
男は姿勢を正し、先ほどの野盗の演技とは全く違う、冷徹で威厳に満ちた声で口を開いた。
「我々はガルディナ帝国、皇帝陛下直属の隠密部隊『黒の猟犬』。私は部隊長のレオンハルトだ」
帝国皇帝直属の密偵。
その響きに、私はごくりと唾を飲み込んだ。
「帝国が、なぜ私を……? まさか、バルター伯爵の密売の件に絡んでいるのですか?」
私の言葉に、レオンハルトは僅かに目を細め、口の端に微かな笑みを浮かべた。
「ご明察だ、セルリア・ヴァン・アシュクロフト男爵令嬢。我が国の偉大なる皇帝陛下は、国家を蝕む『腐敗』を何よりも憎んでおられる。……ここ数年、我が帝国の貧民街を中心に、『月光草』を精製した質の悪い麻薬が大量に出回っていた。そのせいで多くの帝国民が命を落とし、治安が悪化しているのだ」
レオンハルトの言葉に、私はギリッと奥歯を噛み締めた。
やはり、バルター伯爵たちが流していた月光草は、帝国の裏社会で麻薬として利用されていたのだ。私の領民たちが血と汗を流して育てた美しい植物が、人々の命を奪う毒に作り変えられていたなんて。
「皇帝陛下は激怒された。そして我々に、密輸ルートの徹底的な調査と、その源流を絶つことを命じられた。我々が数年にわたり裏社会の金の流れを追った結果……辿り着いたのは、貴国のバルター伯爵、そしてその後ろ盾であるグレイド第二王子だった」
「っ……!」
「奴らの尻尾を掴むための決定的な証拠を探っていた折、我々の耳に一つの情報が入った。アシュクロフト男爵領の若き当主代行が、不自然な税の搾取と横流しに気づき、独自に台帳を調べ上げている、とな」
彼らは、私が孤独な戦いを始める前から、私の存在を把握していたのだ。
「我々は君と接触を図ろうとしたが、君は我々より先に、愚かにも婚約者の男を頼ってしまった。結果は……君が一番よく知っている通りだ。君が集めた物理的な証拠は、あの法務局の小役人の手によって燃やされてしまった」
その言葉が、私の古傷をえぐるように痛んだ。
私の愚かさが、唯一の証拠を灰にしてしまった。
「だが」と、レオンハルトは一歩私に近づき、その鋭い瞳で私の目を見つめ返した。
「物理的な証拠が燃えようとも、三年分の複雑な裏台帳の数字と、月光草の不自然な流通ルートを、誰の助けも借りずに完璧に読み解き、整理した『最高峰の頭脳』がここにある。……そうだろう?」
私は息を呑んだ。
彼は私の頭を指差していた。
そうだ。書類は燃えた。けれど、何百枚にも及ぶ台帳の数字、偽装された荷馬車の日付、闇商人との接触記録……それらすべては、寝食を忘れて調査に没頭した私の頭の中に、一言一句違わず刻み込まれている。
「皇帝陛下は、貴国の腐りきった王族と貴族どもを、国際社会の表舞台で徹底的に断罪し、破滅させることを望んでおられる。そのためには、内部の事情を完璧に把握し、法廷で奴らの罪を立証できる『生き証人』が必要だ」
レオンハルトは、腰に提げていた剣の柄に手を当て、私に向かって厳かに言った。
「セルリア・ヴァン・アシュクロフト。我々と共に帝国へ来い。皇帝陛下の名のもとに、貴国を裏から操る腐敗の根を絶つための『剣』となれ」
風が吹き抜け、木々がざわめいた。
私は縛られたままの両手を見つめ、そして、夜空に浮かぶ冷たい月を見上げた。
カイゼルは言った。「この国では権力こそが神だ」と。
彼は、私のような後ろ盾のない下級貴族が、大きな権力に押し潰されるのは当然だと嗤った。
(……なら、あいつらがすがりついている、あのちっぽけな権力を、さらに巨大な力で根底から叩き潰してやるまでよ)
私はゆっくりと顔を上げ、レオンハルトの目を真っ直ぐに見据えた。
私の中にあった絶望は、彼らの登場によって完全に消え去り、代わりに、冷たく研ぎ澄まされた復讐の刃が形作られていくのを感じた。
「……一つ、お願いがあります」
私の静かな、しかし確固たる意志を持った声に、レオンハルトは無言で先を促した。
「私のもつ知識と記憶のすべてを帝国に捧げましょう。法廷でも、どこでも、奴らを追い詰めるための証言台に立ちます。その代わり――」
私は、かつて父から教わった貴族の礼を執るように、胸を張って凛と言い放った。
「奴らを断罪し、破滅の底へ叩き落とすその瞬間。私自身の口から、彼らに引導を渡す権利をください」
私からすべてを奪った者たちに、私がどれほどの絶望から這い上がり、彼らの首元に牙を突き立てたのかを、その目に焼き付けさせてやるのだ。
レオンハルトは私の目の中に燃える漆黒の炎を見たのだろう。
彼は満足そうに短く息を吐き、静かに頷いた。
「分かった。進言を約束しよう。皇帝陛下も、君のような公正を重んじる令嬢は嫌いではないはずだ」
彼は短刀を抜き、私を縛っていた腰の縄と、手首に食い込んでいた鉄の枷の鎖を鮮やかに切り捨てた。
解放された両手を擦りながら、私は暗闇の先へと続く道を見た。
もはや、振り返る故郷はない。しかし、進むべき道は明確に目の前に示されていた。
反逆の狼煙は、この深い森の暗闇から、帝国の巨大な炎となって燃え上がるのだ。




