第21話 俺らの中の誰を選ぶの?
「はあ!?お前何言うとんねん!?」
「リュウはもう黙っててくださ〜い」
「…いや、それについては、俺も異議を唱える。ハルトはナオトのものじゃない。俺にはハルトが必要だ」
「おいおい、アダムもリュウとナオトの痴話喧嘩に加わるなよ。それに、ハルトは俺といいコンビネーションなんだから、邪念はやめてくれないか」
「ちょっとユウヤ〜!リュウとのは、痴話喧嘩なんかじゃありません〜!痴話喧嘩っていうのは、ナオトとハルちんの間で起こることを言うのよね〜っ!あっ、でも〜ハルちん優しいから、喧嘩とかならないけどぉ〜」
「だから!ナオトお前、勝手にハルトと付きおうてる設定やめって!ハルトが迷惑するやろ!」
U-4の4人は、4人でガヤガヤ勝手に盛り上がり始め、僕は収拾のつかないこの様子に1人天井を仰ぐ。
(なんで、僕の取り合いになってるんだ…)
僕は一呼吸をすると、いつもより声をはる。
「あのっ、皆さん、僕はU-4全員の世話役なので、誰か1人とどうこうなることは、ありませんので…!」
「ええっ〜ハルちん〜、そんなこと言わないで〜ぇ」
「ほーら、言うたやろ。ハルトは仕事に対して真面目なんや」
「じゃ、ハルちん、今度プライベートでナオトとご飯いこっ」
「…それなら俺も行く」
「だから、アダムものるなって言ってるだろう」
「そんなん食事なら、全員で行ったらええんちゃうん?!なぁ、ハルト?」
「あっ…えっと…」
4人に距離も詰められ、じっと見つめられた僕は1人慌てふためく。
(4人とも背が高いから、なんか妙に威圧感があるな…)
僕が少し怯えていると、僕の髪の毛の先っぽの方を、アダムが人差し指で優しくつまむ。
「…で、結局ハルトは俺らの中の誰を選ぶの?」
「……はい?」
ジリジリと近寄ってくる4人のイケメンに、とうとう壁際まで詰められた僕。
「4人の中では、俺といるのが一番居心地がいいって言ってたよな?」
「それだったら、俺にも言ってましたー。俺といると、楽しいとも言われたし」
「いや、ていうかね、そもそもー、俺が一番ハルトのこと理解してると思うんだよね」
「はあ?そんなわけないやろ」
壁際に追い詰められてもう逃げ場がないと思っていたところで、急に僕のことで互いにマウントし出す4人。
(なんで…こうなった……?)
僕の頭の中が、グルグルとフル回転して今までの出来事を思い出す。
(それに僕が言ってもない言葉を、オーバー気味に捉えて、マウント合戦してる…!?)
「あっ、あのっ、皆さん!僕は、U-4のこと、メンバーも曲もパフォーマンスも全てひっくるめて、本当に心から……大好きです!!」
……シーーーーン……
僕の言葉に、U-4の4人はピタッと動作を止め、僕の顔を全員が真顔でじーっと見つめる。
「あ…えっと…あの…皆さん…?」
すると、全員がハーッと大きく息を吐き、僕に背を向けて歩き去っていく。
「求めてるのは、そういうんじゃないんだよねぇ〜」
「…分かってないな」
「ほんま、天然なとこあるんよなー」
「まあまあ、それがハルトのいいところで。さっ、俺らは練習再開しようか」
さっきまでバチバチ言い合っていた4人は、肩を組んで笑いながら話していて、僕は1人取り残された。
「………え、いや……なんで」




