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僕が1番まともです?異世界転生したら特性バリバリのアイドルグループの世話係でした  作者: めんだCoda


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18/29

第18話 ほんまに…ほんまに…ごめん…

「失礼しました」


 幹部の部屋から出た僕は、その場から早く立ち去りたくて足早に歩いていく。


「ハルト」


 声に顔を上げると、壁に寄りかかったユウヤが腕を組んでこちらを見ていた。


「ユウヤさん…」


「どうだった、話は」


「…あ、えっと…練習室へ歩きながら、話しをするのでもいいですか…」


「うん、いいよ」


「…結果から言いますと、やはりあの雑誌の影響は大きく、U-4への世間からの声は厳しく、当たり前ですがいい状況ではないとのことでした…」


「…大賞剥奪は確実か…」


「…いえ、それはまだ確定事項ではなくて、事務所の方で音楽祭主催者の方になんとか掛け合ってみると…。ただ、どうにもならない可能性が大きいと…」


「そう…か……。はぁー…ありがとな、お疲れハルト」


「いえ…」


 練習室の前に着くと、足を止めて僕は深く息を吐く。すると、ユウヤが僕の肩に手を置き、無言で僕を見つめる。

 僕は頷いてドアを開けると、部屋の中央にしゃがみ込んでいたアダム、リュウ、ナオトがこちらを見る。


「ハルちん…!」


 ナオトが真っ先にその場で立ち上がり、僕を潤んだ瞳でじっと見つめる。


「ハルちん…ごめんな…ナオトのせいで…今更になって、ことの重大さが身に染みてきたというか…ほんまに…ほんまに、ごめん…」


「いえ…大丈夫ですよ。とりあえず、僕が聞いてきた話をお伝えしますね。まず——」


 ◇◇◇


 話を終えると、皆、押し黙ったまま俯いていた。


「とりあえず、今U-4に出来ることは新曲を完璧な状態で披露することです。明後日、新曲の初ライブがあるので頑張りましょう」


「……」


「とりあえず、気持ちの切り替えるためにも、僕、皆さんの飲み物買ってきますね」


 練習室を出た僕は、扉に寄りかかり深く息を吐く。


(僕が喋ってる間、誰も声を発さなかったな…。…これからU-4どうなっちゃうんだろ…)


 練習室にすぐには戻りたくなくて、近くの自販機ではなく、あえて少し遠くの自販機まで歩く。


 ピッ—ガコン—ピッ—ガコン—ピッ—ガコン—ピッ—ガコン


 4人目の飲み物を、自販機から取り出すためにしゃがんでいると、


 ピッ—


 自販機のボタンを押す音がし、顔を上げると長い指でボタンを押すナオトだった。


「ハルちん、これ好きやろ?いつも飲んでるもんなぁ」


「あっ…はい、知っててくれたんですか」


「知ってるよ〜」


 ナオトは自販機の前にしゃがむと、僕の飲み物を掴み僕へと差し出す。


「はい、これ。ナオトのおごり」


「えっ、あ、ありがとうございます」


「珍しいで〜ナオトが誰かに何か奢るとか。ハルちんは特別やで〜〜…って、自分で言うのもアレやんな」


 笑顔を僕に向けるナオトだったが、その笑顔は無理やり作っていて痛々しかった。すると、ナオトの顔から笑顔がさっと引き、視線を下に落としたまま、くぐもった声で話す。


「…なあ、ハルちん…今少しだけ話してもいい…?」


「…はい」


「ありがとう」


 そう言って少し顔を上げるナオトの目は、涙が浮かんでいた。

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