高梨ここあ騎士団と戦います
試合が始まると、開始早々一人の男が斬りかかってきた
「10対1の利点も生かさず不用意に斬りかかってくるとは・・・バカなのですか?」
私は懐から拳銃を取り出す
今回は演習なので威力が低いワルサーPPKと呼ばれる威力の低い武器を選択した
この銃は警察用に開発され、22口径という非常に小型の銃となっている
「少し痛いですよ」
私は相手の左足に発砲した
全力で私に斬りかかろうとしていたので、
撃たれた足では体重を支えきれず、勢い余って私の目の前に転がってきた
「ぐああああああ」
男剣士が悶ている
「見苦しいですね、後で治してあげますよ」
転がった所の左頬を蹴り飛ばし男を失神させた
「さて、残りは9人ですね
どうしたのですか?」
9人とも震えて動かない
よく見ると会場全体の雰囲気が凍りついている
「いいぞー!ここあやれやれー!」
「流石です、ここあ様」
楽しそうなのはラプターペスコ組だけのようだ
「皆行くよ、火の精霊よ私に答えて
ファイアーボール!!!」」
女性の魔道士が皆を鼓舞すると魔法を放ってきた
直径50cm程の火の玉が私を襲う
魔法の発射と同時に女性魔道士の背後に潜り込んだ
「あなた達の魔法には致命的な欠陥があります
それは詠唱などの予備動作が長過ぎることですね」
「え、早すぎる!?」
私が相手の足を払うと魔道士がバランスを崩した
すかさず、右手て頭を掴み地面に叩きつけた
「ずどーーん!!」
砂埃が舞い上がった
女性魔道士は白目を向いて気絶している
「ここあ特性CQC(戦場格闘技)の味は如何ですか?」
「くっ化物女め、皆一斉に行くぞ」
また化物って言われた!?
「化物って女の子に向かって失礼ですよ!」
私は必死の抗議をする
「うるさい、人間の皮を被った悪魔め」
酷い!?
傷ついた私を無視するかのように残り8人で襲いかかってくる
演習とは思えない気迫だ
「よろしい、ここあ式CQCをお見せしましょう」
まずは、前方から剣士二人が斬りかかってくる
かなりのスピードだ
襲いかかってくる剣撃を華麗にかわす
「良い剣筋です、とてもとても真っ直ぐで歪みがないですね
しかし、その剣が通用するのはルールのある戦いだけですけどね」
私は右手に仕込んだ訓練場の砂を剣士二人の顔面に投げつけた
「パーン!」
乾いた音が響く、剣士二人共視力を奪われ悶絶している
「実戦だと痛がっている暇すら貰えませんよ」
悶絶する二人の急所を蹴り二人共気絶させた
「残り6人」
少し離れたところにいる魔道士組が倒れている二人に構わず魔法を撃ってきた
「喰らいなさい、ファイアーボール!」
既に詠唱を終えている魔法は避けられないと思ったのか、確かに私に避ける時間はない
「いでよ、バリスティック・シールド!」
バリスティック・シールドとは防弾盾の事で警察などで使われる
最新の物は44口径のマグナム弾ですら容易に耐える
簡単な爆風程度ではビクともしない
「ドゴーン!!!!」
被弾すると同時に爆風が辺りを照らした
しかし、アラミド繊維を凝固して作られたバリスティック・シールドはその程度では貫けない
「ふむ、精鋭ともあろう者の魔法とはこの程度ですか」
「ええ!?!?」
「貴方何者なのですか」
魔道士4人が驚愕している
「演習とは言え実戦形式です、無駄口を叩いてる暇があったら次弾を装填しなさい」
しかし、次撃たせるわけにはいかない
急いで4人の目の前まで走り抜ける
到着すると同時に、4人の喉にめがけて打撃を加えた
4人共喉をやられ、喋れなくて苦しそうに悶絶している
「ぐ・・・が・・・」
「なにを・・・」
「あなた達魔道士の弱点は詠唱に時間がかかる事
そしてそれを封じられれば、ただの一般人って事です」
一人が杖を武器にし殴りかかってきた
しかし、片手で杖を受け止めると相手の服を掴み投げ飛ばした
「気骨は良しです、しかしその喉では暫く喋れません
魔法が使えない貴方たち4人は脱落です」
4人はとぼとぼと退場した
「さて、残り二人ですね」
残りの剣士二人を睨むと繊維を喪失した様子で泣きそうになっている
「ヒィィィィィ~~~」
「こ、降参だ!」
「仲間を8人やられ、一矢報いようともせずこれがこの国の兵士?
栄えある帝国騎士団とはこの程度なのですか」
私は落胆を隠しきれない
先日やり合ったカーグーンと比べるとあまりにもお粗末
レベルの差がありすぎます
「もう良いです」
私は呆れた様子で懐から閃光手榴弾を取り出しピンを抜き二人に投げつけた
二人共それが何か分からず凝視している
すると太陽がそこに出現したかのような閃光が二人の視力を奪った
悶える二人にゆっくり近づくとゆっくりと蹴り飛ばして二人を沈黙させた
「終わりました」
私はそう宣言すると辺りは静まり返っている
帝国騎士団は弱すぎる、まるで貴族達のお遊戯です
これが本当に精鋭?
「フッフッフッフッハッハッハッハッハーーハッハッハッ」
ウォルエン騎士団長が笑いの3段活用を利用してきた!?
「見たかお前達、これが栄えある帝国騎士団の実力だ
お前らでは束になっても相手にならんぞ」
訓練場がざわついている
それはそうだ、エリート部隊たる自分たち騎士団が
年端もいかない私のような少女に相手にならないと言われるのは
プライドが許さないであろう
「ウォルエン騎士団長、あまり焚きつけるようなことは言わないで下さい」
私は抗議をするとウォルエン騎士団長がゆっくりとこちらへ歩いてきた
「いやいやすまない、我が騎士団が負けるだろうと分かってはいたが
予想よりも圧倒的だったのでな
お前たちと特別訓練は中止だ、けが人を治療してやれ
通常の訓練に戻れ」
騎士団長の鶴の一声でざわついていた訓練場が一気に静まり皆指示通りに動き出した
この辺りは流石ですね
「ご苦労だったここあ、この後ちょっと時間あるか?」
私はうなずいた
「良かった、少し話があるからこちらへ来てくれ」
「了解です、ラプターペスコ行きますよ」
二人に合図をすると上機嫌な様子で観戦場所からこちらへ歩み寄ってくる
「流石ですここあ様、この国の兵士なぞここあ様に比べればゴミ同然ですね!」
「流石じゃのぉここあ、しかしお主甘すぎやせんか、ゴミ共とは言え
真剣を持った相手に遠慮しすぎじゃろう
足の一本くらい斬り落としたら良かったのじゃ」
この二人は、騎士団長の前でゴミゴミと・・・
私は頭を抱えた
「ハッハッハッ、厳しいお嬢様方ですな
手加減してくれたここあ殿に我々も感謝せねばなりませんな」
騎士団長が寛大な方で助かりました・・・
私達は訓練場を出ると騎士団長の執務室へと向かった




