飢えの森
夜明けは、張り詰めた空気と空腹、そして限界まで高まった神経とともに彼らを迎えた。
呼吸をするたびに胸が重くなる。もはや空腹は不快感ではない。圧力であり、焦燥であり、思考を鈍らせる静かな痛みだった。
アドリアンは立ち上がり、仲間たちの疲れ切った顔を見渡した。
護衛二十名、考古学者七名、ナラ、そして自分。
誰もが息を潜め、筋肉を強張らせ、今にも下されるであろう命令を待っている。
「食料が必要だ」
彼ははっきりと言った。
「今すぐに。狩りができる者は? あるいは、食べても死なないものを見分けられる者は?」
短い沈黙。
やがて、肩幅の広いモラレスが一歩前に出た。
「隊長。ジャングルや山岳地帯の経験があります。ここは違いますが……基本は同じです。」
リバスは湿った土を嗅ぎ、東を指差す。
「水が近い。地形が下っている。水があれば……命がある。食料も。」
鋭い目をしたアルバレスは草の跡をなぞった。
「夜明けに何かが通った。人間でも、普通の獣でもない。だが群れで動いている。」
アドリアンは頷いた。
声に恐怖はない。ただ職業的な警戒心だけ。それがわずかな安心を与えた。
「三人一組だ。やむを得ない場合以外は撃つな。この生態系がどう反応するか分からない。」
モラレスは枝を割り、即席の槍を作る。
「まず槍。次に火。試さずに口に入れるな。どの世界でも、綺麗なものほど毒がある。」
緊張を含んだ笑いが小さく広がる。
彼らは慎重に進んだ。
足元の小さな音さえ、全身を強張らせる。
湿った空気には、焼けた土と甘い金属の匂いが混じっていた。
「聞け」
リバスが囁く。
森の奥から、規則的な振動音が伝わる。
咆哮でも、鳥の声でもない。
「ここはただの森じゃない。ここは……見てから襲う。」
アドリアンは顎を固く結んだ。
「早く学ぶ。さもなければ……何も学べない。」
遠くで枝が軋む音がした。
森が、挑戦を受け入れたかのようだった。
やがて霧に包まれた空き地で、黒い毛並みと奇妙に光る目を持つ兎を見つける。
「そこだ。」
乾いた銃声が二度響く。
彼らは美しさに見とれなかった。
ただ飢えていた。
火が起こされ、肉が焼ける匂いが立ち上る。
一口ごとに安堵が広がるが、森の視線は消えない。
「こんな当たり前のことが……贅沢だなんて」
ナラが呟く。
アドリアンは答えなかった。
生き延びることは英雄的ではない。
残酷で、現実的で、必要なだけだ。
数時間後、彼らは集落を見つけた。
木と石で作られた粗末な家々。
光る目と虹色の毛を持つ家畜。
住民たちは獣皮をまとい、斧や弓を構えている。
視線は疑念と警戒に満ちていた。
言葉は通じない。
「まず観察だ」
アドリアンは小声で言う。
その時、戦の角笛が鳴り響いた。
森から現れたのは――ミノタウロス。
人の胴体に牛の頭、赤く燃える目。
大地が震える。
「撃て!」
銃声、咆哮、悲鳴。
戦いは混沌と化した。
エレラが倒れ、カスティージョが吹き飛ばされる。
モラレスは肩を裂かれながらも立ち続けた。
七人が倒れた。
三人の考古学者、四人の護衛。
泥と血と霧の中に横たわる遺体。
ナラは膝をつく。
「こんなに……痛いなんて。」
「生き延びた。」
アドリアンの声は固い。
「学ぶか、終わるかだ。」
森は沈黙していた。
「まずは……避難だ。」




