骨に刻まれる旅
歩みは、幾日にもわたって続いた。
太陽で測られていた時間は、やがて骨にのしかかる重みと、喉に張りつく乾き、そして生存者たちのあいだに沈殿していく濃い沈黙によって数えられるようになった。
隊列は、鬱蒼とした森を抜け、霧に覆われた平原を越え、視線を外せば消えてしまいそうな細い道を進んだ。村人たちは、ほとんど人間離れした粘り強さで歩き続ける。何度もこの道を往復してきた者だけが持つ、揺るがぬ確信がそこにはあった。
アドリアンの一行は、その背を追いながら学んでいった。
最初の問題は、現代の衣服だった。
合成繊維は枝に引き裂かれ、湿気を溜め込み、歩くたびに肌を焼く。夜の冷気は、まるで存在しないかのように布を貫いた。ひとりの村の女が、言葉を交わすことなく動き出す。なめした革と厚手の織物――煙と獣脂の匂いをまとった衣を、黙って配り始めた。
一人、また一人と、装いが変わる。戦術装備も、都市の服も、目立たぬ制服も、革と手織りの層に呑み込まれていった。変化はゆっくりで、不快だった。
彼らは環境に適応しているのではない。
自分たちの世界の、最後の痕跡を失っていったのだ。
最後まで拒んでいたのはナラだった。
年配の女が、忍耐強く彼女を柔らかな革の衣に包む。織布で補強された実用的な作り。暖かい。だが、これまでのナラとはあまりにかけ離れていた。
終えると、ナラは近くの小川に映る歪んだ自分を見つめた。
まるで、望みもしない部族の祭りに無理やり参加させられた子どもだ。
革は大きすぎ、襟は開きすぎ、即席のフードがぎこちなく頭にかかり、はねた髪を隠している。
アドリアンは数秒見つめ――堪えきれなかった。
両頬を軽くつまむ。
「……雰囲気が変わったな」
ナラは一瞬固まり、それから鋭い視線を向けた。
「ペットじゃない!」
身を引こうとして、革の外套に足を取られる。よろめき、憤然とした表情がさらに強まる。その様子に、護衛のひとりが思わず短く、罪悪感まじりの笑いを漏らした。
ほんの一瞬。
それでも、彼らがまだ人間であることを思い出すには十分だった。
悪い知らせは、数日後に訪れる。
食べ物が違った。
味や食感だけではない。生物学的に、異なっていた。密度の高い穀物。金属の匂いを帯びた肉。色は鈍いが、攻撃的なほど濃い味の野菜。
最初は文化の違いだと思った。
やがて、嘔吐。
続いて、発熱。
震え。
生き延びるために必要なものを、身体が拒絶する。
最初に倒れたのは村の老人たちだった。長年の移動で弱った身体は、見えない細菌と異なる気候の衝突に耐えられなかった。家族に囲まれ、泣き叫ぶこともなく、静かに逝く。その受容は、涙よりもなお不気味だった。
アドリアンの一行も無事では済まない。
護衛たちは体力で持ちこたえたが、何人かは病に伏した。夜は即席の看病の時間となる。汗、痙攣、脱水。どれも獣と同じくらい現実的な敵だった。
考古学者は……ひとりだけが残った。
最後の生存者は石壁にもたれ、かつて門を越える前の自分を思い出そうとするかのように、手を見つめ続ける。ほとんど話さず、さらに食べない。あまりに多くを、あまりに早く失った者の空虚な目。
ナラは離れた場所からそれを見ていた。
村で七人。旅の途中でさらに二人。
彼女の頭は、もう名前を覚えない。ただ数字だけを数える。
それが、恐ろしかった。
アドリアンは、苛立ちと計算の入り混じった視線で状況を見つめる。
未知の細菌とは戦えない。
異世界の生態系とは交渉できない。
進化の不整合に銃は通じない。
金も、影響力も、資源も――意味を持たなかった。
この世界は人間の序列に従わない。
応えるのは、耐久。
適応。
あるいは、死。
ある夜、粗い毛皮の毛布の下、ナラが彼の隣に腰を下ろした。
「ここで……生き残れると思う?」と、かすれた声で問う。
アドリアンはすぐには答えない。遠くの焚き火と、即席の城壁の向こうを動く影を見つめる。
「……彼らのように生きることを学ばなければ、そもそも生き残れない」
ナラは膝を抱く。
「ばかみたいなものが恋しい……コーヒーとか、電気とか、電波とか」
彼も笑わなかった。恋しかったのは、同じだったから。
彼は学ぶ。勉強するのではない。生き延びる。
言葉は断片で届く。食料、危険、道、借り、避難所。非常口のように記憶する。小声で試し、やがて確信をもって発する。時に誤る。
「避難所」と「拘束」を取り違えたことがある。沈黙が重く落ち、武器にかかる手が強張った。
二度と繰り返さない。
正しい一語が問題を防ぎ、誤りは血を招く。
やがて、最低限の取引ができるようになる。物資を交渉し、警告を理解し、不要な衝突を避ける。
小さな前進。
だが、前進だった。
ナラは違う。
彼女は彼に寄り添う。恐怖から始まり、習慣となり、やがて離れなくなった。食事も、移動も、現地語が飛び交う場面も、彼の視線を探す。
夜はさらに厄介だ。
石造りの狭い空間。中央の火は十分に温まらない。村人たちにとっては当然の体温の共有も、彼らの常識では境界線の外だった。
最初は一時的だと思った。
次は恐怖ゆえだと思った。
三度目には、理由づけをやめた。
ナラは深く眠る。疲労と抑え込んだ病と積み重なった喪失に押し潰されるように。革の下で丸まり、消えない何かを求める。
アドリアンは眠れない。
肩にかかる呼吸。
近づく体温。
煙と革の匂い。
目を閉じ、思う。
飢えた狼のそばに肉を置くな、と。
皮肉と罪悪感が胸に絡む。
彼は聖人ではない。だが、これは違う。
ナラは望んでここにいるのではない。
壊れているのだ。
その事実が、あらゆる誘惑を危険に変える。
やがて霧の朝、森が途切れる。
そして――それを見た。
都市。
古い傷のように大地に現れる。暗い石と補強された木材。何度も壊れ、何度も築き直された不揃いの城壁。黒ずんだ塔。立ち上る灰色の煙。
美しくはない。
厳しい。
だが、生きている。
到達した。
ここは即席の避難所ではない。
力の宣言だ。
巡回する兵。分節鎧。見知らぬ紋章。
「もう集落じゃない……要塞だ」とモラレスが呟く。
壁があるなら秩序がある。
兵がいるなら序列がある。
序列があるなら――規則がある。
門前。
銃に驚く様子はない。ただ観察する。
そして、差し出された掌。
通行税。
アドリアンは理解する。
悪い初期条件。
だが、不可能ではない。




