新たな仲間、新たな旅立ち
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夕暮れが王都アルディアを赤く染める頃、シアンたちは冒険者ギルドへ戻ってきた。
ギルドの扉を開けると、中にいた冒険者たちの視線が一斉に集まる。
「シルヴァさんだ!」
「北の森の討伐隊が帰ってきたぞ!」
「本当にオーガを倒したのか?」
ざわめきが広がる中、受付嬢が駆け寄ってきた。
「シルヴァさん、ご無事で何よりです!」
「なんとかな。」
シルヴァは笑みを浮かべると、オーガ討伐の証として持ち帰った大きな魔石を受付へ差し出した。
受付嬢は目を見開く。
「これは……間違いなくオーガの魔石です。」
ギルド内から歓声が上がった。
「やったぞ!」
「北の森はこれで安全だ!」
しかし、シルヴァは首を横に振る。
「喜ぶのはまだ早い。」
ギルド中が静まり返る。
「今回のオーガは何者かに黒い魔力を与えられていた。そして、その犯人は黒霧教団だ。」
その名を聞いた瞬間、空気が張りつめた。
年配の冒険者たちは顔を見合わせ、不安そうな表情を浮かべる。
「黒霧教団……まさか本当に復活したのか。」
その時、奥の部屋から一人の男が姿を現した。
白髪の短髪に、鍛え上げられた屈強な体つき。鋭い眼光を宿しながらも、その立ち姿には長年の経験を感じさせる。
アルディア冒険者ギルドのギルドマスター、ガレスだった。
彼はかつて名を馳せた元冒険者であり、その実力は今なお衰えていない。
「詳しい話を聞かせてもらおう。」
応接室へ移動した三人は、森で起きた出来事をすべて報告した。
黒い影。
暴走したオーガ。
そしてシアンが目覚めた回復魔法。
話を聞き終えたガレスは、静かに目を閉じた。
「やはり始まったか……。」
「何か知っているんですか?」
シアンが尋ねる。
ガレスは重々しくうなずいた。
「黒霧教団は二十年前、王国中を混乱に陥れた闇の集団だ。当時、多くの冒険者や騎士が命を懸けて壊滅させた。しかし首領は見つからず、生死も分からないままだった。」
部屋に沈黙が流れる。
すると、ガレスはシアンへ視線を向けた。
「シアン、お前が使った回復魔法についてだ。」
シアンは少し緊張しながらうなずく。
「あれほど強い治癒魔法を初めての発動で使える者は極めて少ない。今後はその力を正しく学ぶ必要がある。」
「はい。」
「ミント、お前にも頼みたい。」
「私ですか?」
「シアンに魔力の扱い方を教えてやってくれ。エルフは人間より魔力への理解が深い。」
ミントは少し驚いたあと、優しく微笑んだ。
「もちろんです。一緒に頑張りましょう、シアン。」
「よろしくお願いします!」
そのやり取りを見て、シルヴァは腕を組みながら笑う。
「これで決まりだな。」
ガレスは机の上に一枚の地図を広げた。
そこには王国各地に赤い印が記されている。
「実は最近、この印の場所でも魔物の異常行動が報告されている。」
「こんなに……。」
ミントは息をのむ。
「北の森だけじゃなかったのね。」
ガレスは三人を見渡した。
「シアン、シルヴァ、ミント。」
「お前たち三人を正式なパーティーとして認める。」
シアンは目を輝かせた。
「本当ですか!」
「今日からお前たちは、一つの仲間だ。」
シルヴァは静かにうなずく。
「異論はない。」
ミントも笑顔で答えた。
「私も。」
ガレスは三人に新しいギルド証を手渡した。
その中央には、同じ紋章が刻まれている。
「最初の任務は、西にある《フンワリ草原》の調査だ。家畜が魔物に襲われ、草原の植物まで枯れ始めているという。」
シアンは新しいギルド証を握り締める。
新人だった自分が、今では信頼できる仲間と肩を並べている。
その胸には、不安よりも期待が大きく膨らんでいた。
こうして三人は正式なパーティーとなり、黒霧教団の陰謀を追う新たな冒険へと旅立つのだった。
パーティー結成しました♪




