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休日の約束

冒険前の休日話。時々日常回を挟んでいきます!

フンワリ草原への出発は翌朝。


依頼のない一日を迎えたシアンたちは、王都アルディアの市場を歩いていた。


「今日はゆっくり買い物でもしましょう。」


ミントは楽しそうに微笑む。


「任務の前に必要な物もそろえたいしね。」


シルヴァは腕を組みながら苦笑した。


「女の買い物は長いって聞くが……。」


「失礼ね。」


ミントは頬を膨らませる。


「必要な買い物よ。」


シアンは二人のやり取りを見て思わず笑った。


市場には焼きたてのパンや果物、新鮮な野菜が並び、人々の活気にあふれていた。


「シアン、この果物知ってる?」


ミントが赤い実を手に取る。


「初めて見ます。」


「これは《ルミの実》。甘くて美味しいのよ。」


一つ買ってシアンへ差し出す。


「はい、半分。」


「ありがとうございます。」


一口かじると、爽やかな甘さが口いっぱいに広がった。


「おいしい!」


「でしょう?」


ミントは嬉しそうに笑う。


その様子を見たシルヴァが小さくつぶやく。


「平和なのが一番だ。」


三人は昼食を屋台で食べることにした。


大きな肉串を前に、シアンは目を輝かせる。


「こんな大きなお肉、初めてです!」


「新人はよく食べろ。」


シルヴァは豪快に笑う。


「強くなるには飯と睡眠だ。」


「それしか言わないですよね。」


ミントがくすりと笑う。


食事を終えた帰り道。


広場では子どもたちが木剣を振って遊んでいた。


その一人が転び、膝を擦りむいてしまう。


「いたた……。」


シアンは迷わず駆け寄る。


「大丈夫?」


まだ回復魔法は十分に使いこなせない。


だから水で傷を洗い、自分のハンカチを裂いて優しく包帯を巻いた。


「ありがとう、お兄ちゃん!」


少年は元気よく笑い、また友達のもとへ走っていく。


その姿を見ていたミントは優しく微笑んだ。


「あなたらしいわね。」


「え?」


「魔法が使えなくても、人を助けようとする。」


シアンは少し照れくさそうに頭をかいた。


「困っている人を見ると、放っておけなくて。」


シルヴァは静かにうなずく。


「それがお前の強さだ。」


夕暮れ。


三人はギルドへ戻る途中、王都を見下ろせる丘へ立ち寄った。


夕日に照らされた街並みは黄金色に輝いている。


しばらく誰も言葉を発しなかった。


やがてミントが静かに口を開く。


「こうして笑って過ごせる毎日を守りたい。」


シアンは大きくうなずく。


「僕もです。」


シルヴァは夕焼けを見つめたまま微笑んだ。


「だから俺たちは戦う。」


三人は並んで王都を見つめる。


明日から始まる新たな任務。


その前の束の間の休息は、仲間としての絆をさらに深める、大切な一日となった。

たまにはほのぼのしたストーリーも必要ですからね!

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