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目覚める癒しの光

早くもメインの3人が揃いました!

挿絵(By みてみん)

暴走したオーガが黒い咆哮を上げる。


「グオォォォォッ!!」


黒い魔力が渦を巻き、その巨体はさらに力を増していく。


「普通の攻撃じゃ押し切れない!」


ミントは杖を掲げ、魔力を集中させた。


「風よ、舞い踊れ――《ウィンドサークル》!」


激しい旋風がオーガを包み込み、動きを鈍らせる。


その隙を逃さず、シルヴァが駆け出した。


「はあぁぁっ!」


大斧が黒い魔力を切り裂く。


しかし、あと一歩届かない。


オーガは怒りに任せて拳を振るい、シルヴァの胸へ直撃した。


「ぐっ……!」


シルヴァは数メートルも吹き飛ばされ、大木へ激突する。


斧が手から離れ、地面へ転がった。


「シルヴァさん!」


シアンは駆け寄る。


胸当ては砕け、深い傷から血があふれていた。


呼吸も弱く、このままでは命が危ない。


「そんな……。」


シアンの声が震える。


ミントも傷を見て表情を曇らせた。


「この傷は……私の光魔法だけでは止血が精一杯。完全に治すには時間が足りない。」


オーガはゆっくりと三人へ近づいてくる。


もう逃げ場はない。


シアンはシルヴァの手を強く握った。


「死なないでください……。」


その瞬間だった。


胸の奥で何かが脈打つ。


温かな光が全身を巡り、シアンの右手へ集まっていく。


「これは……。」


ミントが目を見開く。


「その魔力は……治癒の力?」


シアンには何が起きているのかわからない。


ただ一つ、仲間を助けたいという気持ちだけが心を満たしていた。


自然と口から言葉がこぼれる。


「癒やしの光よ……傷を包め。」


眩い白金色の光がシルヴァを包み込んだ。


砕けた胸当ての下で傷口がゆっくりと閉じ始める。


流れ続けていた血も止まり、乱れていた呼吸が落ち着いていく。


「すごい……。」


ミントは思わず息をのんだ。


「初めて使ったはずなのに、ここまでの回復魔法なんて……。」


シルヴァはゆっくりと目を開ける。


「助かった……のか。」


シアンは安堵のあまり、その場へ座り込んだ。


「よかった……。」


しかし、回復魔法を使った反動で体中から力が抜けていく。


「初めての魔法で、あれだけの力を使ったんだからね。」


ミントはシアンを支えながら微笑んだ。


「あなたには特別な才能がある。でも、その力はまだ未熟。無理をすれば命を削ることになるわ。」


シルヴァは立ち上がり、斧を拾い上げる。


「シアン、お前は俺の命を救った。」


その言葉に、シアンは照れくさそうに笑った。


「俺は……仲間を助けたかっただけです。」


シルヴァは力強くうなずく。


「それで十分だ。」


その時、オーガが再び咆哮を上げた。


だが、その体を包んでいた黒い魔力が突然暴れ始める。


「様子がおかしい……。」


ミントが杖を握りしめる。


黒い霧はオーガの体から離れ、空中で一つの人影のような形を作り始めた。


「ククク……まだ終わりではない。」


低く不気味な声が森に響く。


三人は思わず身構えた。


目の前に現れた黒い影こそ、この異変の元凶へとつながる最初の手掛かりだった。

シアンには隠された才能が!?

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