森に舞う金色の風
狂敵を前にどうする!?
暴走したオーガが大地を踏み鳴らす。
その巨体から溢れ出す黒い魔力は、周囲の木々を枯らし始めていた。
「まずい……。」
シルヴァは斧を構え直す。
今まで幾度となく魔物と戦ってきた彼でさえ、この異様な力には覚えがなかった。
オーガは怒号を上げると、巨大な棍棒を振り回した。
轟音とともに木々がなぎ倒される。
シルヴァは紙一重でかわしたが、その衝撃で体勢を崩してしまう。
「シルヴァさん!」
シアンが叫ぶ。
その瞬間だった。
「風よ、我が声に応えよ――《ウィンドランス》。」
澄み渡る女性の声が森に響く。
圧縮された風が一本の槍となり、オーガの肩を貫いた。
「グオォォッ!!」
オーガが苦痛の叫びを上げ、初めて後退する。
木々の上から、一人の女性が軽やかに飛び降りた。
陽光を受けて輝く長い金髪。
風に揺れる白と深緑のローブ。
長い耳を持つ、美しいエルフの魔法使いだった。
「間に合ったようね。」
シアンは思わず見とれる。
「エルフ……。」
女性は穏やかに微笑み、杖を胸の前で軽く掲げた。
「私はミント。森の巡回中に、この異常な魔力を感じて駆けつけたの。」
「助かった。俺はシルヴァ。」
シルヴァは短く礼を言い、再びオーガへ向き直る。
「一人では少し骨が折れる相手だった。」
ミントは静かにうなずき、周囲の草花へ手を伸ばす。
「草木よ、私に力を。」
足元から緑色の光が広がり、無数の蔦が地面を這う。
「《グリーンバインド》!」
太い蔦がオーガの両脚へ巻き付き、その動きを封じた。
「今よ、シルヴァ!」
「任せろ!」
シルヴァは力強く踏み込み、大斧を振り上げる。
だが、黒い魔力が蔦を引き裂き、オーガは再び自由を取り戻した。
「普通の拘束じゃ抑えられない……。」
ミントの表情が曇る。
その時、オーガがシアンへ向かって突進した。
「しまっ――!」
避けきれない。
そう思った瞬間、シルヴァが間に入り、大斧で棍棒を受け止める。
激しい衝撃が走り、シルヴァは吹き飛ばされた。
「シルヴァさん!」
肩や腕から血が流れ落ちる。
傷は浅くない。
シアンは駆け寄り、必死に支えた。
「大丈夫ですか!」
「これくらい……まだ戦える。」
しかし、その顔には苦痛が浮かんでいた。
ミントは傷を見て首を横に振る。
「今は治療する時間がない……。」
シアンは拳を握り締める。
何もできない自分が悔しかった。
仲間が傷ついているのに、助ける術がない。
その強い想いに応えるように、胸の奥が熱くなる。
だが、その力はまだ目覚めるには至らなかった。
淡い光が一瞬だけシアンの手のひらに宿り、すぐに消えてしまう。
「今の光は……?」
ミントは驚いた表情でシアンを見る。
だが、問いかける暇はない。
オーガが再び咆哮を上げ、三人へ襲いかかる。
シルヴァは斧を握り直し、ミントは杖を構え、シアンも棍棒を強く握る。
三人は肩を並べ、巨大な敵を見据えた。
こうして、彼らは初めて仲間として共に戦うことになった。
みんなが大好き金髪エルフきたぁーwwwww




