山岳地帯への依頼
新しい依頼が!?
王都アルディアの冒険者ギルドは、いつもどおり多くの冒険者で賑わっていた。
シアンは手入れを終えた新しい棍棒を担ぎ、ローとともにギルドへ入る。
「おはようございます!」
「ウォン!」
受付嬢は笑顔で迎えた。
「おはようございます、シアンさん。ガレス様がお待ちですよ。」
「また新しい依頼ですか?」
「はい。今回は少し特別な依頼です。」
シアンはローと顔を見合わせる。
「何だろう?」
その頃、シルヴァとミントもギルドへ姿を現した。
「おはよう。」
「待たせたな。」
四人は応接室へ向かう。
部屋ではガレスが一枚の大きな地図を机へ広げて待っていた。
「揃ったな。」
「はい!」
ガレスは地図の北西を指差す。
そこには険しい山々が連なる地域が描かれている。
「ここは《ギザギザ山岳地帯》。」
「王国でも有数の鉱山地帯だ。」
シルヴァは地図を見て眉をひそめた。
「鉱山の町カッターイか。」
「知っているんですか?」
シアンが尋ねる。
「ああ。」
「良質な鉄や魔鉱石が採れる場所だ。」
ガレスは静かにうなずく。
「その鉱山で異変が起きている。」
「異変?」
ミントが聞き返す。
「坑道の奥から黒い霧が現れ、作業員が行方不明になっている。」
部屋の空気が重くなる。
「さらに、坑道で見たことのない魔物が現れたという報告もある。」
シアンは真剣な表情になった。
「黒霧教団でしょうか。」
「まだ断定はできん。」
ガレスは腕を組む。
「だから調査も必要だ。」
シルヴァは頷く。
「了解。今回も俺たちが向かうぜ。」
ガレスは小さく笑った。
「もちろん、お前たちだけではない。」
扉が開く。
中へ入ってきたのは、以前ギルドでシアンへ絡んできた三人組だった。
シアンは少し驚く。
「あっ……。」
大柄な男は以前とは違い、真っすぐシアンを見た。
「この前は悪かった。改めて名乗る。」
「俺はガイ。」
「剣士のレオ。」
「盾役のボルーク。」
三人はそれぞれ頭を下げた。
「今回の依頼、一緒に戦わせてくれ。」
シアンは笑顔で右手を差し出す。
「よろしくお願いします。」
ガイは少し照れくさそうにその手を握った。
「よろしくな。」
その様子を見て、シルヴァは満足そうに笑う。
「これでようやく一つの討伐隊だ。」
ミントも優しく微笑む。
「きっといい連携が取れるわ。」
ガレスは全員を見渡した。
「今回の依頼は討伐だけではない。」
「坑道の調査。」
「行方不明者の救出。」
「そして黒い霧の原因究明。」
「どれも重要な任務だ。」
全員が真剣な表情で頷く。
「出発は明日の早朝。」
「今日は十分に準備を整えろ。」
「了解!」
ギルドを出たシアンは、青空を見上げた。
山岳地帯――。
今まで訪れたことのない未知の土地。
新しい棍棒を軽く握る。
ローもその隣で力強く吠えた。
「ウォン!」
その声は、新たな冒険の始まりを告げる合図のように、王都の空へ響き渡った。
3人組も登場!




