三人の本音
3人組のおまけ話です
その夜。
王都アルディアの冒険者ギルド近くにある酒場。
「乾杯!」
ジョッキをぶつける音が響く。
ガイ、レオ、ボルークの三人は、明日から始まる山岳地帯への依頼を前に食事をしていた。
「しかし驚いたな。」
レオが苦笑する。
「まさかシアンたちと同じ依頼になるなんて。」
ボルークは大きくため息をついた。
「最初は本当に嫌な奴だと思ってた。」
ガイは黙ったままジョッキを見つめている。
しばらく沈黙が続いたあと、小さく口を開いた。
「……嫉妬してたんだ。」
二人は顔を上げる。
「嫉妬?」
ガイは苦笑した。
「俺たちは三年も鉄級で冒険者やってる。」
「それなのに、シアンはあっという間に昇格した。」
「しかも銀級のシルヴァとミントが付きっきりで教えてくれる。」
レオは静かにうなずく。
「俺も最初は不公平だと思ってた。」
ボルークも腕を組む。
「黒狼まで仲間にしてるしな。」
ガイはジョッキを机へ置いた。
「でも、リーフ村で考えが変わった。」
「あいつは自分の手柄なんて一度も口にしなかった。」
「子どもたちを助けることしか考えてなかった。」
レオは笑う。
「しかも俺たちのことまで助けようとしてた。」
「あれじゃ文句なんて言えないよな。」
ボルークは照れくさそうに頭をかいた。
「正直、あんな新人は初めて見た。」
ガイは静かに笑った。
「新人じゃない。」
「もう立派な冒険者だ。」
その時、酒場の店主が料理を運んでくる。
「お待たせ!」
焼いた肉の香りが漂う。
「明日から山か。」
店主は三人を見回す。
「気を付けろよ。」
「あそこは昔から何かいるって噂だからな。」
ガイは真剣な表情になる。
「ああ。」
「今度はシアンたちと一緒だ。」
「絶対に全員で帰ってくる。」
レオとボルークもうなずく。
「もちろんだ。」
「今度は仲間としてな。」
三人はもう一度ジョッキを合わせた。
「乾杯!」
酒場には笑い声が響く。
その頃。
ギルドの宿舎では、何も知らないシアンが新しい棍棒を丁寧に磨いていた。
明日から始まる新たな冒険。
それぞれが胸に異なる思いを抱きながら、王都の夜は静かに更けていくのだった。
次回から鉱山の依頼へ!




