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王都での休日

シアンだけの日常です。

新しい棍棒を手に入れた翌朝。


珍しく依頼のない一日を迎えたシアンは、まだ眠るギルドの宿舎を静かに出た。


「たまには一人で歩くのもいいかな。」


朝の王都アルディアは穏やかだった。


パン屋からは焼きたての香りが漂い、商人たちは店を開く準備をしている。


シアンはゆっくり市場を歩きながら、賑わいを眺めていた。


「平和だなぁ。」


戦いの日々が続いていたせいか、この何気ない景色がとても新鮮に感じられる。


パン屋の前を通ると、店のおばさんが声をかけてきた。


「あら、冒険者さん。焼きたてだよ。」


シアンは少し照れながらパンを一つ買う。


「ありがとうね。」


温かいパンを頬張ると、自然と笑顔がこぼれた。


「おいしい……。」


食べ終えると、今度は噴水広場へ向かう。


そこでは子どもたちが木剣を振って遊んでいた。


「あっ!」


一人の男の子が木剣を落としてしまう。


シアンは拾って渡した。


「ありがとう!」


「木剣はしっかり握るんだ。」


そう言うと、新しい棍棒を軽く振って見せる。


「武器は大切な相棒だからね。」


子どもたちは目を輝かせる。


「冒険者のお兄ちゃん、強いの?」


シアンは困ったように笑う。


「まだまだ修行中だよ。」


「でも、仲間がいるから頑張れるんだ。」


子どもたちは笑顔で手を振り、また遊び始めた。


その姿を見ながらシアンは小さくつぶやく。


「守りたい景色って、こういうことなのかな。」


昼頃になると、シアンは武器屋《ドワーフ工房》へ立ち寄った。


店主のドンは、ちょうど武器を磨いているところだった。


「おっ、坊主。もう来たのか。」


「昨日のお礼を言いたくて。」


シアンは頭を下げる。


「棍棒、すごく使いやすいです。」


ドンは満足そうに笑う。


「ちゃんと油を塗ってるか?」


「え?」


「武器は毎日手入れしろ。」


ドンは布と専用の油を取り出し、棍棒の手入れの仕方を教えてくれた。


木目に沿って布を動かし、金属部分には薄く油を塗る。


「なるほど……。」


シアンは夢中になって手を動かす。


「これなら長く使えそうです。」


「そうだ。」


ドンは笑う。


「武器も持ち主に応えて育つ。」


その言葉を胸に刻み、シアンは店を後にした。


夕方。


ギルドへ戻る途中、小高い丘へ立ち寄る。


王都を照らす夕日を眺めながら、新しい棍棒を膝の上へ置いた。


「もっと強くならないとな。」


守りたい仲間。


守りたい人々。


そして、自分を信じてくれるシルヴァやミント、ロー。


その期待に応えられる冒険者になるために。


シアンは静かに立ち上がる。


「よし。」


新しい相棒を肩に担ぎ、ギルドへの帰り道を歩き始めた。


その足取りは、冒険を始めた頃よりも、ずっと力強くなっていた。

充実した1日だったかな(笑)

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