隊長の決断
隊長の判断1つで戦況は変わると思っています。
「グオオオォォッ!!」
ゴブリンジェネラルの咆哮が砦中に響き渡る。
巨大な戦斧が振り下ろされ、地面が大きくえぐれた。
「下がれ!」
シルヴァの号令が飛ぶ。
討伐隊は一斉に距離を取った。
「シアン!」
「はい!」
「子どもたちを連れて後方へ!」
「分かりました!」
シアンは檻から助け出した子どもたちを安心させる。
「もう大丈夫だから。」
「ロー、一緒に守ってくれ。」
「ウォン!」
ローは子どもたちの前へ立ち、周囲を警戒する。
その姿に子どもたちも少し安心したようだった。
「お兄ちゃん、この狼さん強いの?」
シアンは笑顔で答える。
「うん。僕たちの大切な仲間だ。」
その間にも前線では激しい戦いが続いていた。
シルヴァの大斧とゴブリンジェネラルの戦斧が激しくぶつかる。
ガァン!
金属音が森へ響く。
「力が強い……!」
シルヴァは一歩押し戻される。
「ミント!」
「任せて!」
ミントは杖を掲げた。
「風よ、仲間に力を――《テイルウィンド》!」
追い風がシルヴァの体を包む。
さらに。
「草よ、敵を縛れ――《グリーンバインド》!」
無数の蔦が地面から伸び、ゴブリンジェネラルの足へ絡みついた。
「今だ!」
シルヴァは大斧を振り抜く。
しかし。
ゴブリンジェネラルは力任せに蔦を引きちぎり、逆にシルヴァを吹き飛ばした。
「ぐっ!」
シルヴァは地面へ転がる。
「隊長!」
討伐隊がざわつく。
その様子を見た三人組の大柄な冒険者が前へ出た。
「俺たちが時間を稼ぐ!」
「無茶だ!」
シルヴァが叫ぶ。
しかし三人は迷わず飛び出した。
剣士、槍使い、盾役。
見事な連携でゴブリンジェネラルの動きを止める。
「今のうちに体勢を立て直せ!」
シルヴァは立ち上がり、驚いたように三人を見る。
「お前たち……。」
「村人を助けるんだろ!」
大柄な男が叫ぶ。
「だったら俺たちも冒険者だ!」
シアンはその言葉を聞き、小さく笑った。
昨日まで自分へ敵意を向けていた男たちが、今は命懸けで仲間を守っている。
「シルヴァさん!」
「分かってる!」
シルヴァは全員へ指示を飛ばす。
「盾役は左!」
「槍使いは右から援護!」
「ミントは拘束魔法!」
「シアン!」
「はい!」
「お前はローと一緒に隙を作れ!」
「了解!」
「ロー!」
「ウォォン!!」
シアンはローの背中へ飛び乗る。
「行こう、相棒!」
ローは森の中を駆け抜け、ゴブリンジェネラルの周囲を高速で走り回る。
敵の視線がシアンへ向いた、その瞬間。
「今だ!」
シルヴァの大斧が横一文字に振り抜かれる。
ガキィン!
戦斧を弾き飛ばし、ゴブリンジェネラルの体勢が大きく崩れた。
「まだ終わりじゃない!」
シアンはローから飛び降り、棍棒で敵の膝を強打する。
巨体がぐらりと揺れる。
その瞬間、ミントが杖を高く掲げた。
「光よ、敵を照らせ 《フラッシュ》。」
眩い光が戦場を照らす。
ゴブリンジェネラルの胸から、一瞬だけ黒い魔力が漏れ出した。
ミントは驚きの声を上げる。
「やっぱり……!」
シアンも黒い霧を見つめる。
「黒霧教団の魔力だ!」
ゴブリンジェネラルは苦しそうに咆哮を上げながら、なおも戦斧を握り締める。
戦いは、いよいよ最後の決着へ向かおうとしていた。
3人組やるぅ!




