冒険者の座学
お勉強の時間です。
夕暮れの空が茜色に染まる頃。
シアンたちは王都アルディアの大きな城門をくぐった。
「やっと帰ってきたな。」
シルヴァは大きく伸びをする。
「やっぱり王都は落ち着く。」
シアンは足の包帯を気にしながら、小さく笑った。
「早く治して、また冒険に行きたいです。」
ローは王都へ入るのが初めてだった。
物珍しそうに辺りを見回しながら歩いている。
「ウォン?」
市場の子どもたちは最初こそ驚いたものの、シアンの隣を歩くローを見て安心したようだった。
「大きい犬だ!」
「違うよ、黒狼だって!」
「かっこいい!」
ローは尻尾をゆっくり振り、子どもたちに優しく鼻先を向ける。
「すっかり人気者ね。」
ミントは微笑んだ。
ギルドへ到着すると、受付嬢が笑顔で迎えてくれる。
「皆さん、お帰りなさい!」
シルヴァは討伐報告書と、黒い祭壇で見つけた情報をまとめた記録を受付へ渡した。
「ギルドマスターがお待ちです。」
応接室ではガレスが静かに待っていた。
四人は今回の出来事を詳しく報告する。
黒い祭壇。
『黒き門、第一の封印』。
そしてガーディアンゴーレムの浄化。
ガレスは腕を組み、静かにうなずいた。
「ご苦労だった。」
しばらく考え込んだ後、穏やかな口調で続ける。
「今日はゆっくり休め。」
「え?」
シアンは少し意外そうな表情を見せる。
「足もまだ万全ではあるまい。」
ガレスは微笑んだ。
「焦る冒険者ほど長生きできん。」
「はい!」
シアンは元気よく返事をした。
その夜、一行は宿舎で久しぶりに柔らかなベッドで眠りについた。
翌朝――。
ギルドの鐘が鳴り響く。
シアンが訓練場へ向かおうとすると、受付嬢が声をかけた。
「シアンさん、今日は訓練場ではありませんよ。」
「え?」
「ギルドマスターがお待ちです。二階の講義室へどうぞ。」
講義室へ入ると、机と椅子がきれいに並べられ、その上には王国の地図、魔物図鑑、薬草の標本が置かれていた。
ガレスは教壇に立ち、ミントは教材の準備をしている。
一方、シルヴァは一番後ろの席に座り、早くも退屈そうに腕を組んでいた。
「今日は剣を振るう日ではない。」
ガレスは教室を見渡しながら言う。
「冒険者として生き残るための座学だ。」
シアンは姿勢を正し、机へノートを広げる。
その隣で、シルヴァは小さくあくびをした。
「ふぁぁ……。」
ガレスの視線がゆっくり向く。
「シルヴァ。」
「……はい。」
「まだ始まって一分も経っておらんぞ。」
部屋に静かな笑いが広がる。
ミントは思わず口元を押さえ、シアンも笑いをこらえきれない。
「さて。」
ガレスは王国の地図を広げた。
「まずは地理から始めよう。」
こうして、四人にとって少し変わった一日が始まった。
僕はシルヴァタイプかな(笑)勉強嫌~www




