封印の番人
始めたばかりなので頑張って連日投稿していきます(笑)
ローが低く唸る。
「グルルル……。」
その視線の先、森の奥から重い足音が響き始めた。
ズシン……。
ズシン……。
地面が小刻みに揺れ、木々の間から巨大な影が姿を現す。
全身を岩のような鎧で覆われた、三メートルを超える巨人。
両腕には黒い鎖が巻き付き、胸の中央には紫色に光る魔石が埋め込まれている。
「なんだ、あれは……。」
シアンが息をのむ。
ミントは驚いた表情で目を見開いた。
「古代エルフの文献で見たことがある……。」
「知っているのか?」
シルヴァが尋ねる。
「ええ。あれは『ガーディアンゴーレム』。本来は遺跡や神殿を守る存在よ。でも……。」
ミントは胸の魔石を見つめた。
「黒い魔力で支配されている。」
ゴーレムはゆっくりと腕を持ち上げる。
そして大地を砕く勢いで拳を振り下ろした。
「散れ!」
シルヴァの声と同時に四人は飛び退く。
轟音が響き、地面には大きな穴が開いた。
「力が桁違いだ。」
シルヴァは大斧を構える。
「正面から受けるな!」
「はい!」
シアンは組手で教わった通り、ゴーレムの重心を観察する。
右足へ体重が乗る。
「次は左から来ます!」
その直後、本当に左腕が大きく振られた。
「いいぞ!」
シルヴァが笑う。
「組手の成果だ!」
シアンは棍棒で腕を受け流し、その隙へローが素早く飛び込む。
「ウォォン!」
鋭い牙がゴーレムの足首へ食い込む。
しかし岩の身体は傷一つ付かない。
「硬い……!」
シアンがつぶやく。
ローはすぐに距離を取る。
「普通の攻撃では通らないわ。」
ミントは杖を握り締める。
「風よ、引き裂け――《ウィンドカッター》!」
渦巻く風がゴーレムの身体を切り裂く。
岩の表面に細かなひびが入った。
「今よ!」
シルヴァが突進する。
「はあぁぁっ!」
大斧がひびへ叩き込まれる。
ガキィン!
鈍い音とともに岩の破片が飛び散る。
「まだ足りない!」
ゴーレムは腕を振り回し、シルヴァを吹き飛ばした。
「シルヴァさん!」
シアンは駆け寄る。
腕から血が流れている。
「大丈夫ですか!」
「かすっただけだ。」
そう言うものの、傷は浅くない。
シアンは両手をかざす。
「癒やしの光よ――《ヒール》。」
柔らかな光が傷を包み、出血が止まっていく。
「恩に着る。」
シルヴァは立ち上がり、斧を握り直した。
「回復も早くなってきたな。」
ミントはゴーレムの胸を見つめていた。
「あの魔石……。」
「何かわかったのか?」
「黒い魔力は胸の魔石から流れている。」
ミントは静かに言った。
「あれを浄化できれば、このゴーレムは元に戻るかもしれない。」
シアンは拳を握る。
「倒すんじゃなくて、助ける……。」
シルヴァは力強くうなずいた。
「それがお前らしい戦い方だ。」
ローも「ウォン!」と力強く吠える。
四人の視線が一つになる。
敵を倒すためではなく、黒い魔力に支配された存在を救うために。
シアンたちは新たな決意を胸に、封印の番人へ再び立ち向かうのだった。
巨大ゴーレム出現!!




